高校 SSH 水環境ワークショップ2018 2日目

2018.8.22

 2日目は琵琶湖と立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)で実習を行いました。
 琵琶湖では、調査船に乗って北湖と南湖に向かいました。表層水と深層水、底泥、プランクトンを採取し、簡易水質調査も行いました。水や泥を採取する器具の扱いは、力も必要ですが、班員同士で協力して順調に進めることができました。風や波が強く船が揺れることもありましたが、無事、実習に必要な試料を集めることができました。
 その後、BKCへ向かい、A~E班に分かれて、採取した試料の解析等を行いました。

A講座 : 琵琶湖の水の流れを考えてみる。
 水の流れを計算するプログラムを利用して、どのような地形が波の影響を受けやすいのか、流水の変化を赤、青、黄色の3色でシミュレーションして、検証しました。プログラムの条件が少し変わるだけで、結果が大きく変わるので、何度も条件を変えながら、より正確なシミュレーションを模索しました。うまくシミュレーションできた時の達成感は非常に大きく、大きな歓声が上がりました。

B講座:プランクトンを用いた自由課題
 北湖、南湖で採集したプランクトンを用いて、各自がテーマを考えて研究しました。生物構成種の差異や個体頻度の比較、プランクトンの塩分濃度に対する耐性の差異、光や温度などの刺激に対する走性の変化などの研究課題について、大学の先生のアドバイスのもと実験を行いました。生徒達は自ら採取したプランクトンを利用して、熱心に試行錯誤していました。自分で実験を計画する難しさも面白さも味わえたようです。

C講座:琵琶湖周辺地域に生息する細胞性粘菌の採集、分類
 モデル生物として用いられている細胞性粘菌は、様々な生命現象を解析するうえで使われており、子実体の色などから判別できるものも多くあります。粘菌について、まだ分かっていないことも多いことから、本ワークショップでは烏丸半島の周辺の土を採取し、その土壌から細胞性粘菌を分離する実験を行いました。また、あらかじめサンプリングした地点の粘菌の種の同定も行いました。

D講座:琵琶湖底質の解析実習
 午前中に採取した水と底泥を、多くの機器を用いて解析しました。大腸菌群の測定、含水率と強熱減量の測定、酸化還元電位や粒度分布の測定など非常に多くの解析を行いました。それぞれの測定法の原理や、得られた測定値によって分かる水環境の様子などを丁寧に教えていただきました。普段高校では行えない実験ですが、解析の原理は高校で学習する内容が多く含まれていることを学び、改めて高校での学習内容の重要性も実感したようです。

E講座:プランクトンを定量的に分析する
 北湖、南湖で採集したプランクトンを、計数板を用いて定量的に分析する実習を行いました。
この日多く見られた種類を見分けるポイントを学習し、そのあとは黙々と同定・計数に取り組みました。最初は同定に時間がかかっていましたが、最後はかなり腕を上げたようで、理科の教員も負けていられません(笑)。「プランクトン、すごいハマる…」実習後の生徒のコメントが印象的でした。

 各講座、充実した実習を重ねることが出来たようで、明日の発表会が楽しみです。


調査船にて


調査船にて


調査船にて


A講座


A講座


B講座


B講座


C講座


C講座


D講座


D講座


E講座