高校FT 第2回 医療基礎セミナー
2023.8.28
8月23日(水)、第2回「医療基礎セミナー」が滋賀医科大学で開かれました。今回は生命科学と組織学の授業を体験するとともに、メディカルミュージアムを見学させていただきました。
午前は生命科学講座の平田多佳子教授に「炎症と病気」をテーマに講義をしていただきました。日常生活で経験するけがや、家庭用医薬品などを例に、アスピリンの歴史とロシア革命の関係といった興味深いエピソードを交えつつ、炎症のメカニズムや疾患予防との関連について講義してくださいました。高度な内容でしたが、生徒は化学や生物で学んだことを思い出しながら真剣な眼差しで講義を受けている様子でした。講義の終わりに平田教授は「勉強するとは、自分の頭で考え、自分の言葉で表現すること。高校ではその基盤づくりのために一つひとつの積み重ねを大切にしてください。」とメッセージをくださいました。
午後からの基礎看護学講座の相見良成教授の講義では、「組織学とは何か」という問いから、解剖学と生理学の関係や組織学の研究や実験方法などについて初歩的な概略を説明していただいたあと、ハンバーガーの画像を例にとって、顕微鏡写真の見方や考え方について学びました。講義後にはメディカルミュージアムを見学。本物の標本や血圧測定器などの医療機器、人体模型などを手に取って生命の尊さや人体の精密さを感じながら、相見教授からの問いかけに対して懸命に考えている姿が見られました。
相見教授からは「何でも鵜呑みにするのではなく、本や講義の内容、自分のデータなどについてもほんと?と疑うこと」と自分で考えることの大切さとともに、「医療人としてだけではなく、どんな仕事であっても受験生であっても相手の気持ちで考えることが大切」と、これからの人生につながる心がけを教えていただきました。