高校SSH 2025年度サイエンスキャンプ立山研修
2025.9.2
8月8日~10日にかけて、高校生の希望者を募り「2025年度 サイエンスキャンプ立山研修」を実施しました。理系3年生を中心とした23名の生徒が、雄大な自然に囲まれた立山での3日間を無事に終えました。
【1日目】
今年は予定通り、昼に立山カルデラ砂防博物館で福井学芸員と合流し、弥陀ヶ原湿原にて湿原の成り立ちや植生について学びました。室堂ターミナルからは雨ガッパに着替え、冷たい雨の中を雷鳥荘へ向かいました。夕方には天候が回復し、夕日を眺めながら翌日の登山への期待が高まりました。
夕食後には福井学芸員から、立山の地層の成り立ちや翌日の観察ポイントについて解説をいただきました。その晩は寒さで手がかじかむ中、夏の星空を観察。満月のため天の川は見られませんでしたが、月明かりの明るさを実感する貴重な機会となりました。
【2日目】
この日は気温約10℃、晴天という絶好の登山日和。雄山(標高3,003m)に登頂し、山頂からしか見ることのできない、日本で2か所しか存在しない氷河の一つを確認しました。全員が怪我なく下山しましたが、体調を考慮して登頂を見送った生徒は教員とともに植物観察ツアーに参加し、高山植物をじっくり観察しました。
下山後は室堂でお土産を購入し、室堂平で植物観察を実施。夕食後には雷鳥荘支配人による講義を受け、山岳ガイドとしての経験や立山の自然の魅力について熱心に耳を傾けました。夜は天候が崩れ、星空観察はできませんでしたが、学びの多い一日となりました。
【3日目】
最終日は強風と雨のため行程を短縮し、早朝に雷鳥荘から徒歩で室堂ターミナルを目指し出発。道路封鎖前に無事立山駅まで下山し、守山駅には予定より早く到着して、全員が安全に帰宅しました。
この3日間の研修では、標高3,000m級の山々が広がる立山で、自然の厳しさと美しさの両方を体感しました。実際に見て触れて感じた心を動かされる経験が、生徒たちの今後の学びや多様な思考へとつながる貴重な糧となることを期待しています。