高校SSH 2025年度恐竜博物館研修を実施しました

2025.11.17

11月9日、「2025年度 福井県立恐竜博物館研修」(希望者対象)を実施しました。
今年度は定員30名のところ約50名の応募があり、生徒の関心の高さがうかがえました。

午前中は、福井県立恐竜博物館副館長であり、福井県立大学恐竜学部客員教授でもある寺田和雄氏による講義を受けました。
講義では「恐竜とは何か」という根本的なテーマから始まり、骨盤の構造や後脚の向きといった解剖学的特徴をもとに恐竜と他の爬虫類を区別する方法、そして福井で見つかっている代表的な恐竜について詳しく学びました。また、研究が論文として認められ学名が決まるまでの過程など、学問の裏側にも触れることができました。さらに、「恐竜の色はほとんどわかっていない」「化石の“種”は形の違いから定義される」といった科学的な知見とともに、研究の面白さや探究心を持ち続けることの大切さをお話しいただきました。

続いて、寺田氏の案内のもとグループに分かれて館内を見学しました。カマラサウルスのほぼ全身実物標本や、皮膚や内臓が化石として残る“ミイラ化石”、福井で発見された恐竜の実物化石などを前に、展示の背景にある科学的推測や発掘のエピソードを交えながら解説をいただきました。
「どのようにして死に至ったのか」「どんな環境で化石が残ったのか」といった“事実から考える力”を学び、生徒たちは熱心にメモを取りながら耳を傾けていました。

最後の化石発掘体験では、実際の地層から植物や貝などの化石を掘り出す貴重な体験を行いました。動物化石を見つける難しさを感じながらも、地質や生物の歴史を自らの手で確かめる時間となりました。

ICT教育が進む現代においても、実物を「見て」「触れて」「考える」体験は、生徒の探究心を育む大切な学びです。
今回の研修を通して、科学的なものの見方や、生物学・考古学への関心をさらに深めることができました。この経験が、今後の探究活動をより豊かにしていく契機となることを期待しています。