はじめに
あなたにとって、リツモリはどんな場所ですか?
この問いに対する答えは、絶えず揺れ動きます。ふとした瞬間に振り返るその時々に、過ごした日々の意味は変わり、いつどこで誰に対して語るのかによっても立ち現れる記憶は変わるでしょう。学校の歴史とは、響き合い、変化し続ける声の重なりなのです。
本書は、開校20周年の節目にポリフォニックなリツモリ物語を書き留めようと、100人のGLコース在校生が100人の卒業生や関係者の方々を訪ね、その多様な声に耳を傾け、書き起こした記録です。
高校生の聞き手が語り手に自らアポイントメントを取り、一対一で向き合う。緊張しながらも粘り強く問いかけ、それに応じて時にぽつりぽつりと、また時に堰を切ったように溢れ出る先輩方の語り。それこそが、リツモリが積み重ねてきた歴史であり、現在地であるとも言えます。
ページをめくれば立ち現れるのは100通りの生き様と100通りのリツモリです。それぞれの言葉に耳を傾けるとき、あなた自身の内側からも、まだ言葉になっていなかった声が静かに呼応し始めるかもしれません。本書を開き、自身の記憶と対話を始める101人目の語り手は、あなたです。
ようこそ、私たちの20年が響き合う場所へ。
注記
本書に収められた語りは、あくまで聞き手と語り手のやり取りに基づくものです。記憶に関する部分には、必ずしも客観的な事実と一致しない点がありえます。また、やり取りをできる限り忠実に書き起こししておりますので、話し言葉ならではの率直な表現、読みづらい表現が含まれることもあります。それらもまた、リアルな対話の記録として、寛大なお心でお読みいただけると幸いです。
2026年7月26日
副編集長 由谷晋一