滋賀県の南西部守山市は、琵琶湖などの豊かな自然と歴史的な街並みにつつまれているのどかな田園都市です。比叡の山並みを眺望することができる恵まれた環境の本校は、立命館学園の附属校であり、中高一貫校で現在約1500名の生徒が在籍しています。


デザインから新しい機能が生まれる

コロナ渦で、保健室として何ができるか。生徒に発信する保健教育以外に、環境面をもう一度を見直しました。保健室はこうあるべきという概念を捨て、2つのテーマを設定しました。
空間に柔らかな表情がでることにより、来室する人があたたかさを感じるもの。デザイン性と機能性を重視した使いやすさ=アクセシビリティです。例えばソファーは、生徒が一番好きでリラックスですが、移動できず救急搬送などに邪魔になります。ソファーが移動出来て、カスタマイズできて見ていて面白いものはないかと探したところ、紙でできたソファーに出会いました。今は感染対策にも役立ち、発想を変える事で新しい機能が生まれました。


癒しと楽しさが共存する空間

保健室におくものは「ナニ?コレ」を意識して、生徒が興味をわくものや癒しを感じるものを意識しています。コロナ渦でオンライン授業になった時には「マスコ」「ピピ姐さん」のキャラクターを作り、一コマ漫画を発信していました。本校では生徒自身が課題を見つけそれを解決していく探求活動があります。一人の生徒が保健室に自作した消毒液スタンドを寄贈してくれたことがきっかけで有志が集まり、皆で消毒液スタンドを作りました。現在は生徒がお昼の放送、パーソナリティを務めてくれ、保健室が放送局になります。保健室らしさも残しつつ、新しい情報ステーションとして提案していきたいです。


「相談しに行く場所」だけでなく
「自然に足を運んでしまう場所」

MOMAの遊び道具でリラックス。考えすぎず無心で触れるように。

一人の生徒が作成してくれた手作りの「足踏み式消毒液スタンド」が使いやすく、保健室発信で仲間を集い全部で50台の消毒液スタンドを作成しました!校内だけでなく、近くの病院や施設にも寄贈しました。

お昼の放送です。イラストは辻野先生、「画伯」と呼んでいます。

教員向けの救命講習です。クローズアップ現代風に作成し、発信しました。

「包括的性教育プログラム」として学年に応じた性教育を行っています。普段からも男女という表記をなるべくなくすために工夫をしています。このトイレットペーパーはソウレッジさんの「性教育トイレットペーパー」です。

大学生が作ったポスターなども掲示しています。大学とも連携しています。

本校は登校時、顔認証検温器と消毒をします。大事な感染対策の案内はサイネージで案内します。

生徒自身が過ごしやすい場所を
選択できる場所づくり

生徒自身がその日1日を過ごしたい場所
を選んで、過ごす。


「サポートルーム」
先生や生徒の面談や、昼食場所など自由に使用してよい部屋になっています。移動式の簡易シートは個食だけでなく、時に学習する時などにも便利です。

「カウンセリングルーム」
生徒や保護者が安心して話ができるよう木目調で優しい空間づくりを目指しました。

「ほっとルーム」
ひとりで過ごすことができる空間です。

保健室内にある「相談室(別名キンクリの部屋)」です。簡易式のベッドや手洗い場所もあります。

保健室の外にある簡易式テントです。感染対策や外で怪我をした生徒の休養場所などに使用しています。簡単に組み立てと移動ができるため、体育祭の時にはグランドに持っていき救急テントとして使用しました。

りつもりガイドラインです。感染症対策を冊子にしました。各地域の相談先や自宅待機の過ごし方などを作成して、保護者にも案内しました