中3 朝日新聞「声」に掲載

2019.2.13

2月9日(土)朝日新聞朝刊(全国版)「声~若い世代」に、中学3年生の豊田由実衣さんの投稿が掲載されました。
今年度の掲載は18回目となり、10期生のNIEの取り組みとして通算45回となりました。また、豊田さんは初めての掲載、合計33人目の掲載となりました。
「雪」のテーマで投稿したものです。多くの人が降る雪に対する印象を書いていました。私も「雪」を通じて書かれる生徒の内面が素直なもので大変うれしい作文でした。
しかし、豊田さんの作文は違いました。冒頭「その日は雪が降っていたそうだ」と始まるこの作文。阪神大震災の日、神戸に雪は降っていなかったそうです。豊田さんの生まれた日、生まれた場所に、多くの愛に包まれた一つの命の誕生があったその日、その場所には降っていたのだそうです。
この文書の最大のポイントはここだと思うのです。あなたのもとに降る雪は、隣の誰かの悲しみや喜びや怒りやさみしさを表したものかもしれない。あなたには見えていますか?見えないものの中にある多くの気持ちが。時々あなたのもとに降る雪は誰かの気持ちかもしれないのです。私にはそんな問いかけに感じました。
そして最後に「今できることを全力でやれているのか」という一文を投げかけ終わります。豊田さんの最後の一文は、自分への問いかけでありながら自らの価値観を優先する多様化への警鐘にも私は聞えました。

私たちのNIE活動は、新聞を読み、教科や多くの教育活動に活かすことにとどまりません。「読む」活動と共に、自分の体験を言葉にしてまとめ「書き」、新聞を発信の場としていくNIE活動です。自分の体験をまとめることの積み重ねは、本校が掲げる「挑戦」「創造」「変革」につながり、文の中で書かれた誰かの幸せへの「貢献」につながっていくと思います。文書になった作文は、生徒一人一人の未来の自分自身を支えていくのだと思っています。その思いと共に、本校のNIE活動をこれからも継続して行います。

(NIE担当:細川典敬)

朝日新聞 2019.02.12 声~若い世代「生まれた日と大震災を思う」豊田由実衣さん
朝日新聞 承諾書番号(19-0635)
掲載期間:2019年2月13日から1年間
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