高校FT 朝日新聞連携講座 副島英樹編集委員 講義
2020.12.10
2020年12月9日(水)に本校講義室におきましてFTコースの海外研修ニューヨークコース事前学習として実施している朝日新聞連携講座の最終回を行いました。講師に副島英樹編集委員を迎え「ゴルバチョフを通じて世界を見る~平和の当事者となるために~」と題し、1時間半に及ぶ授業をしていただきました。
授業の最初に登場したのは1987年5月7日の新聞でした。副島先生の最初の赴任地は滋賀県大津支局。そのときに書かれた「抱きしめてBIWAKO」の募集の記事から話は始まりました。その「抱きしめてBIWAKO」の記事の横には、5月3日に起こった阪神支局襲撃のニュースがありました。
「私は最初から、命を大切ということから始まりました。私も手をつなぎ、一人一人の力の大きさを知りました。私が平和に関わるきっかけは滋賀県にあった。」
そのような語りから授業が始まりました。その後、副島記者は、広島総局に赴任。そこから核兵器廃絶、平和に対する活動に関することへ話はつながっていきました。
中心となったゴルバチョフさんとの話では、インタビューをしたときの映像や、プレゼントを渡すときの写真などを見せていただきました。そのインタビューをしたのは、2019年12月3日のことだったそうです。「1989年12月3日冷戦終結と言われるマルタ会談から、ちょうど30年が経った日でした。」記事だけでは分からない思いの裏側を知ることができました。
「INF中距離核兵器全廃条約も失効、軍事力を削減し、新しい価値を生み出してきたその時から30年が経ち、ゴルバチョフさんが今をどう思っているのか聞いてみたかった」という、ゴルバチョフさんに取材を申し込んだ経緯を話してくれました。
自身が書いた記事で生徒たちに「ゴルバチョフさんは何を言いたかったのだろう」というメッセージを理解させる話し合いをさせ、ゴルバチョフさんが考える「21世紀の新思考」について話してくれました。
授業の最後は「これからみなさんは、社会に出て多くの人のリーダーのようになると思います。その際、ゴルバチョフさんが言ったように、「対立」していくよりもファシリテーターとして物事を調整してまとめていかなくてはならない局面になります。そのときに、自分たちの見方だけではなく、全く違った観点から物事を見ている人がこの世界にはたくさんいることを頭の片隅においてほしい。これから国際的な舞台にも出ていくと思いますが、ネット情報ではなく、現地の生活をできるだけ見て体験することが重要になってくる。それが相手を理解することだ」とメッセージを送っていただきました。
今年の連携講座は最終回を迎えましたが、生徒たちにはこれからも社会の動きを深く理解することをやめずに続けてほしいと思っています。