高3 中高大院連携講座 サイエンスAPⅠ・Ⅱ『理系5学部によるミニレクチャ―(スポーツ健康科学部)』

2021.6.21

 高校3年生GLsコース(理系52名)を対象としたサイエンスAPⅠ・Ⅱ授業は、本校の教育活動の骨子でもある中高大院連携を担う特色ある講座の一つです。

 サイエンスAPⅠでは主として、理系学部が多くある立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)の大学施設を視察し、さらに5学部(理工・情報理工・生命科学・薬・スポ健)の研究室と生徒自らが直接連携することで、大学での学びを先行して取り入れることを目指しています。

 6月10日より、サイエンスAPⅠの特色ある取り組みの1つとして、5学部の研究室による研究紹介のミニレクチャ―がスタートしました。この取り組みでは、各学部の教授の先生や大学院生から、各研究室の特色や研究内容について講演していただき、また、高校生にとって関心のある大学生活のリアルについてもお話しいただきます。

 第2回目はスポーツ健康科学部です。3つの分野について、3名の先生より講演いただきました。物理的な見地から運動を解析する研究をされている長野明紀教授は、実際に解析を行っている映像や、実験の様子を見せてくださいました。また、高校生が学習する物理の内容も交えて説明いただいたので、生徒にも分かりやすく、今の学びとの結びつきが実感できたと思います。
 健康運動科学というテーマで講演いただいたのは橋本健志教授です。「幸せとは何か」という重厚な問いから講義は始まりました。運動と認知機能の関連性についての研究や、乳酸の身体への効果の研究についてなど、健康について本気で考えることは、科学をすることであるということが分かる講義でした。
 最後に講演していただいたのは後藤一成教授です。トレーニング科学の、特に低酸素トレーニングの効果について、実際の研究結果のデータを示していただきました。研究そのものの面白さだけでなく、科学的に研究する手法についても分かりやすくお話しされていました。先生がおっしゃった「科学は文化を変える」という言葉は、生徒の皆さんにも強く印象に残ったのではないかと思います。

 スポーツ健康科学部とは、すでに連携しながら研究を進めている生徒もおります。後藤先生は、スポーツ健康科学部では学部生の時から研究をどんどん進めることができ、発表することができるとおっしゃっていました。生徒の感想には、「座りすぎると死亡リスクが高いことが分かったり、ゆっくりスクワットすることで認知症が改善されたりするなど日々の暮らしの知識以外にアスリートに役立つ筋肉や運動などのスポーツ科学を研究されているのがとても魅力的だと思った。」というように、スポーツ健康科学部の研究に興味を持っている様子が伺えました。

 次回、第3回は生命科学部です。次回以降のミニレクチャ―でも、生徒が自身の進路選択や研究に関わる情報を、少しでも得て欲しいと思います。