SSH 高校2021年度 サイエンスキャンプ立山研修

2021.8.23

 8月1日~8月3日、理系3年生を中心に希望者を募り、「2021年度 サイエンスキャンプ立山研修」を実施しました。
 立命館学園の規定に沿う形で新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底し、19名の参加生徒が3日間の行程を終えました。

 1日目は立山に移動後、高山植物の群生地が広がる弥陀ヶ原湿原のフィールドワークです。富山県立カルデラ砂防博物館の福井幸太郎学芸員より立山の植物や地形についての解説を受けながら散策しました。到着時は生憎の雨でしたが徐々に天候は回復し、宿舎の雷鳥荘へ向かう頃には、立山連峰の雄大な景観や火山ガスが噴出する、日常では見られない光景が目の前に拡がり、生徒は圧倒されていました。夕食後は福井学芸員より、翌日の巡検ルートや火山および氷河地形の解説を受けました。

 2日目はいよいよ、標高3,003mの雄山を目指します。天候は快晴。最高のコンディションの中、福井学芸員より立山から見える景色や地形の解説を受けながら、山頂を目指しました。8月では考えられない雪道、標高が高くなるにつれ苦しくなる呼吸、徐々に険しくなる山道を乗り越え、山頂に辿り着いた生徒の表情は喜びと達成感に満ち溢れていました。雄山山頂の雄山神社・峰本社ではお祓いもしていただきました。
 夕食後は雷鳥荘支配人の中橋さんより、立山の四季の移り変わりや、春から秋まで営業する雷鳥荘の営みについてご講義いただきました。3月の除雪作業や山岳救助のお話しなど、写真や動画を交えた、他では聞くことのできない内容に、生徒はハードな登山の後にも関わらず聞き入っていました。その後は天体観測です。天候が危ぶまれましたが、雲一つない夜空には満天の星空が私たちを出迎え、言葉では言い表せない景色が拡がっていました。生徒たちも寒い中、長時間にわたって目の前に広がる景色を堪能していました。

 3日目も快晴。立山の雄大な景色を目に焼き付けながら、雷鳥荘を後にしました。室堂ターミナルでは各自お土産を購入した後、最後のフィールドワークです。各自、高山植物の観察や立山自然保護センターを巡り、充実した時間を過ごして、3日間の全ての行程を終えました。

 立山での経験はどれも貴重なものばかりでした。現地に赴き、教科書にある特異な地形を間近に観察し、見て、聞いて、体験した今回の研修は、生徒の皆さんに多くの刺激を与えたはずです。今回の研修が、生徒それぞれの今後の探究活動だけでなく、各自の様々な物の見方・考え方に繋がっていくことを期待しています。