高校 2021年度くじらの博物館研修

2022.3.11

 2022年3月6日から7日、「2021年度くじらの博物館研修」を実施しました。本研修では、和歌山県にある太地町立くじらの博物館とその周辺地域のフィールドワークを通じて、くじらの生態や進化だけでなく、捕鯨に関わる国際的、文化的な背景についても学びます。
当初は1月末に予定していましたが、新型コロナウイルス拡大の影響により日程変更を余儀なくされました。今回、立命館学園の規定に沿う形で新型コロナウイルス対策を徹底して、15名の参加生徒が2日間の行程を終えることができました。

 

1日目はくじらの博物館の学芸員、中江環さんから、クジラの種類、進化、骨格、生態などについてレクチャーして頂きました。みんなのイメージするクジラはどんな姿?クジラとイルカはどう違う?これはクジラのどこの骨でしょう?といった様々な問いかけに応じながら、またクジラの骨や髭、エサなどの実物を手に取らせてもらいながら、クジラについての知識を更新することができました。
その後は、各自で博物館や水族館を見学しました。クジラや骨格の模型をさわり、持ち上げる参加型の展示を楽しんだり、クジラの身体に迫る生物学的な展示、クジラと人の関わりを紹介する歴史的展示から学んだり、桟橋からイルカを直近で見たり、中にはイルカにタッチするふれあい体験をする生徒もおりました。宿に帰ったあとは、晩ご飯に、新鮮なお魚を使った料理にクジラの尾びれの部位を用いた「尾羽毛」を頂きました。

2日目は朝6時半頃に宿を出て、太地町漁業協同組合の参事、貝さんのご案内で、水揚げやセリを見学しました。定置網でとられたブリ、タイ、サバ、オコゼなど様々な魚たちが、まさに船から揚げられてくる際の漁師さん、仲買人さんの真剣な眼差しに一同見入ってしまいました。宿に戻って朝食を済ませた後は、くじら博物館の講義室で貝さんから、漁協の概要、くじら漁の歴史や現状、反捕鯨団体の活動についてお話を頂きました。くじら漁には賛否両論ありますが、漁を生業にしてこられた漁協の方のお話しを直接伺い、その視点を通して、また考えを深めることができました。質疑応答でも積極的に手が上がり、漁業以外の活動「海業」について、漁船について、くじら漁文化についてなど、たくさんのお話を伺えました。すてきなおみやげを頂いた後で港に戻り、メンテナンス中の現役捕鯨船の船内に入らせて頂き、くじら漁の実態を垣間見ることができました。その後、宿で昼食はくじらカツを頂き、再び博物館に入って、イルカショーやイルカ餌やり体験、飼育員平松さんのお話を伺いました。

2日間を通して、専門家の方々からレクチャーを聞く学びと、見る、さわる、感じるなど体験を通した学びとを、生徒それぞれが自分自身で結びつけ、考えを深めてくれたことと思います。