高校 2021年度 建築技術探究
2022.3.22
2022年3月19日から20日、「2021年度 建築技術探究」を実施しました。本研修では日本の建築技術を「城」と「橋」の2つのテーマで学びます。当初は2月に予定していましたが、新型コロナウイルス拡大の影響により日程変更を余儀なくされました。今回、立命館学園の規定に沿う形で新型コロナウイルス対策を徹底して、9名の参加生徒が2日間の行程を終えることができました。
1日目はまず、新神戸駅の近くにある竹中大工道具館に向かいました。 館内は全部で7つのコーナーに分かれており、当時の宮大工が使っていた多岐にわたる大工道具の展示、その大工道具の歴史、道具を作る名工と言われる鍛冶職人の紹介などがありました。各自で展示を見ながら、「これは何に使われてるんかな?」「なんでこんなに種類があるんかな?」など、縄文時代からある大工道具を見ながら、その精巧な技術に圧倒されていました。また、木材どうしを、釘を使わずに接合する組手(くで)を分解して、もう一度組んでみたり、建築に使われる木材の違いを匂いで感じたりなど、五感を使いながら体験していました。午後には姫路城に向かいました。まず、その圧倒的な存在感に全員が驚いていました。当時は重機のない中、築城するのがどれだけ大変だったのだろうかと考えさせられました。天守閣内には、事前学習で学んだ特徴的な城の造りや、午前中の竹中大工道具館で見た技術が使われている様子を見ることができ、学びを深めることができました。
2日目は、始めに明石海峡大橋と橋の科学館に行きました。明石海峡大橋は、ギネス認定を受けた世界最長の吊り橋でしたが、研修前日の3月18日に、トルコにできた新しい吊り橋にその座を明け渡したところです。館内では、高さ290mにも及ぶ主塔が建てられるにあたっての経緯や、その技術をレクチャ―していただきました。次に展示物を見学し、明石海峡大橋を建てられるために用いられている、様々な技術を学びました。また、橋桁に実際に上り、生徒たちは高さと規模の大きさを改めて実感していました。次に大阪城に向かい、内堀のクルーズをしました。大阪城の謎となっている石垣に刻まれた模様や、「人面石」を間近で見学しました。天守閣内は初日に見学した姫路城とは異なり、中が完全に改築された近代建築物です。館内は博物館となっており、生徒たちはその違いに戸惑っていました。館内を見学した後は、石垣に使われている最も大きな石の前で記念撮影しました。「こんなんどうやって運んだんや?」と、まだまだ謎の多い大阪城の築城で使われた技術に、生徒も考えさせられている様子でした。
2日間の研修を通して、世界に誇る日本の建築技術について得られた学びを、生徒自身の経験や気づきに結び付けて、考えを深めてくれたことと思います。