高2FT 大阪大学文学部 倫理学・臨床哲学研究室を訪問しました

2022.9.5

 8月26日(金)、高校FTコース2年生が大阪大学文学部 倫理学・臨床哲学研究室を訪問し、ほんまなほ先生・小西真理子先生より講義をいただきました。

 ほんま先生からは、「倫理学」とはどのような学問なのか、という概論に始まり、大学で倫理学を学び、研究するということについて、現役の阪大生のありのままの声をもとに、講義いただきました。「女性が化粧をすることの意味とは」など、既存の倫理学の形態にとらわれることなく、自分の疑問をとことん追究する学生のエピソードに、生徒も熱心に耳を傾けていました。

 後半は2クラスに分かれ、ほんま先生の「哲学対話」ワークショップと、小西先生による大学案内の時間となりました。
ほんま先生のワークショップでは、philosophy for children(p4c)と呼ばれる哲学手法を元に、生徒の考えたいテーマについて、クラス全員で対話をする活動が展開されました。

 「人生をやり直すならいつに戻りたいか」「人間以外に生まれ変わるならどんな動物がいいか」といったテーマに始まり、最後にはそれぞれの人生観や価値観にまで踏み込んだ対話が展開されていました。教員も含めた全員が車座となり、普段何気なく考えていることについて気兼ねなく話す生徒の姿が印象的でした。
 
また、大学散策では、実際の研究室や講義室、図書館などを小西先生より案内いただきました。豊中キャンパスの空気を肌で感じることのできる貴重な時間となりました。

 講義、ワークショップを通してお二人の先生が強調されていたのは、「普段の生活の中で言葉にできない悩みや不安をどのように捉えていくか」「声をあげにくい立場にいる人の考えを聴き、ともに考えるにはどうすればいいか」を学問するのが「倫理学」の根本である、ということです。多様化・複雑化する社会にこれから飛び出していく生徒にとって、非常に考えさせられる内容であったように思います。