高校サイエンス 2022年度 くじらの博物館研修

2022.12.26

 2022年12月17日から18日、「2022年度くじらの博物館研修」を実施しました。本研修では、和歌山県にある太地町立くじらの博物館とその周辺地域のフィールドワークを通じて、鯨類の生態や進化だけでなく、捕鯨に関わる国際的、文化的な背景についても学びました。
 1日目はくじらの博物館の副館長で学芸員の中江環さんから、クジラの種類、進化、骨格、生態などについてレクチャーして頂きました。クジラとイルカの違いは?エサは何を食べる?など、問いかけを交えながら、生徒たちも積極的に質問が挙がりました。クジラの骨や髭、エサなどの実物を手に取らせてもらいながら、クジラの知識を更新することができました。
 その後は、各自で博物館や水族館を見学しました。クジラの実物骨格をさわり、1日の食事量30㎏分のオキアミのケースを持ち上げる参加型の展示を楽しんだり、クジラの身体に迫る生物学的な展示、クジラと人の関わりを紹介する歴史的展示から学んだり、桟橋からイルカを直近で見たりしました。宿に帰ったあとは晩ご飯に、新鮮なお魚を使った料理やクジラの尾びれの部位を用いた「尾羽毛」を頂きました。
 2日目は朝6時半頃に宿を出て、太地町漁業協同組合の参事、貝さんのご案内で、水揚げ場の見学をし、漁協施設内にある追い込み漁の無線機とその通信の様子を見せていただきました。
 宿に戻って朝食を済ませた後は、くじら博物館の講義室で貝さんから、漁協の概要、くじら漁の歴史や現状、反捕鯨団体の活動についてお話を頂きました。くじら漁には賛否両論ありますが、漁を生業にしてこられた漁協の方のお話しを直接伺い、その視点を通して、また考えを深めることができました。ここでもせいとからは積極的に手が上がり、漁業以外の活動「海業」について、漁船について、くじら漁文化についてなど、たくさんのお話を伺えました。その後、宿で昼食にくじらカツを頂き、再び博物館に入って、イルカショーやイルカ餌やり体験、をしました。

たった2日間の研修でしたが、専門家の方々からレクチャーを聞く学びと、見る、さわる、感じるなど体験を通した学びとを、生徒それぞれが自分自身で結びつけ、考えを深めてくれたことと思います。