高校 2024年度 建築技術研修を実施しました
2025.2.17
2月12(水)から13日(木)にかけて、SSH校外研修の一環として、大阪、兵庫、岡山の各地で建築技術研修を行い、最先端の建築技術や伝統的な大工道具の使い方を学びました。この研修を通じて、環境に負荷の少ない建築の奥深さや日本の匠の技術を体感し、将来のキャリアに向けた貴重な経験を得ることができました。
【1日目】
大阪・兵庫エリアでの建築技術体験
◇Expo2025パビリオンのSDGs建築技術を学ぶ
研修初日は、2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、イタリア、フィリピン、インドネシアのパビリオンの躯体建築を提供する西尾レントオールによるレクチャーを受けました。最新の建築技術や大規模イベントの裏側について学び、生徒たちは目を輝かせて聞き入っていました。
その後、大阪南港ATC(アジア太平洋トレードセンター)ホールへ移動し、万博で使用される大屋根リングの外観を見学。迫力ある建築デザインを目の当たりにし、最先端の建築技術への理解を深めました。
◇竹中大工道具館で日本の匠の技に触れる
午後は、新神戸にある竹中大工道具館を訪れ、宮大工が使用する何十種類にも及ぶ鉋(かんな)や鋸(のこぎり)などの道具について学びました。道具の種類の多さに驚き、また、使いこなすための技術の高さを実感。生徒たちは、実際に鉋を使う体験も行い、木材ごとに鉋を使い分ける奥深さを体感しました。
「鉋は、5年引いて一人前」という言葉に、生徒たちは深く納得している様子でした。
【2日目】
岡山県真庭市でのCLT工場見学と木工体験
◇集成材CLT(Cross Laminated Timber)の製造工程を学ぶ
2日目は、雪景色に包まれた岡山県真庭市の銘建工業(株)を訪問。大阪・関西万博のパビリオンの躯体に使用されるCLT(直交集成板)の製造工程を見学しました。CLTを用いたモダンなオフィス内の見学や、工場で排出される木くずを活用したバイオマス発電施設の視察を通して、環境配慮型の建築技術を学ぶことができました。
◇木工体験で感じる木材の温かみ
午後は、CLTを素材にしたスマホスタンドの木工体験に挑戦。生徒たちはそれぞれ個性あふれる作品を作り上げ、木材の温かみや香りを肌で感じていました。体験を通して木材の魅力や可能性を実感し、「この木(ヒノキ)の香り、落ち着く」と感想を述べる生徒もいました。
【研修を通じて得た学びと今後の展望】
今回の研修を通じて、生徒たちは最新の建築技術と日本の伝統工法の両方に触れ、建築への理解を深めました。今年はExpo2025が開催されることもあり、見学後には「CLTを用いた建築デザインはどのように決めるのか?」、「CLTの耐震強度はどのくらいあるのか?」など、建築に関する専門的な質問が多数あがり、生徒たちの学びの深さや関心の高さがうかがえました。