高校 Global Leadership Program 2025 アブダビ研修を実施しました

2026.1.27

 1月10日から16日にかけて、「立守 Global Leadership Program 2025 アブダビ研修」を実施し、本校高校生9名をアラブ首長国連邦(UAE)へ派遣しました。

 本校のGlobal Leadership Programは、現代社会が抱えるさまざまな社会課題をテーマに、現地での体験や対話を通して学び、解決策を模索しながら、これからの世界と自らの生き方を考えることを目的としたプログラムです。毎年行き先を変えて実施しており、今年度は、2019年度より交流を継続しているアブダビの王立科学技術系高等学校 Applied Technology Schools(ATS)を訪問しました。今回は、これまでにバディとして交流経験のある生徒が参加し、現地の生徒たちとの再会を大きな柱とした研修となりました。

 研修中、生徒たちには以下の3つのミッションが課されました。
 1つ目は、日本のアンバサダーとして体験型の日本文化交流企画を立案・実行すること。
 2つ目は、エミラティ(UAE人)のご家庭でのホームステイを通して、現地の生活や文化を体感し、交流を深めること。
 3つ目は、「日本の高校生から見た日系石油開発企業『アブダビ石油』の価値とは何か。その価値を未来にどのように活かせるのか」をテーマに、脱化石燃料社会を見据えながら、日本とUAEが今後どのように関係を深めていけるかを提案することです。

 生徒たちは、8回にわたる事前学習を重ね、十分な準備を行った上で現地研修に臨みました。現地での学びの詳細については、ぜひ下記をご覧ください。

 本研修は、コスモエネルギー開発株式会社、アブダビ石油株式会社、学校法人立命館、ならびに本校教育振興会からの多大なご支援を受けて実現しました。特に、アブダビ石油株式会社のご尽力により実現したホームステイは、生徒たちにとって現地の文化や価値観に直接触れる、かけがえのない経験となりました。また、Applied Technology Schoolsの生徒たちとの再会と交流は、友情をさらに深める機会となり、生徒一人ひとりの心に強く残るものとなりました。

 本研修の実施にあたり、お世話になりましたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。


Day 1
無事にアブダビのホテルに到着しました。 バスから見えるドバイの街並みに歓声を上げつつ、 2時間ほどの道中、やはり疲れもありほぼ寝静まっていました。 ホテル到着後、2時間ほど休憩を挟みリフレッシュした生徒たち。 懐かしい再会や、新しい友人を多く作り、アブダビ高校生との友情を育む1日となりました!


Day 2
アブダビの伝統衣装を身にまとい、今回のプログラムのスポンサーでもあるアブダビ石油株式会社(ADOC)へ訪問しました。社員さんからADOCの石油採掘や日本が関わる権益を結んだ歴史を学びました。英語の説明も皆集中してメモをとる姿が印象的でした。また現地日本人駐在員の方々からどのようなお仕事や生活をされているのか、お住まいや社屋をご案内いただきました。海外で働くという日常に密着したお話に、生徒たちは興味津々に聞き入っていました。最終日のプレゼンテーションに向けての質疑応答も活発に行い、石油産業に留まらない、UAEと日本の友好関係に多大な貢献をしているこれまでのADOCの活動をより深く学ぶ時間となりました。

午後からは女子生徒はATSの9年生たちとの交流を実施。前回の交流内容から改善する形で実施し、現地の生徒たちからも「とっても楽しかった」と感想をいただくことができました。
また、今日はアブダビの文化についても触れることができました。カスールアルワタンという大統領官邸ではあまりのスケールの大きさと豪華絢爛な建築に度肝を抜かれ、また短い歴史の中で急激な成長を遂げたアブダビを知ることのできる、アブダビ最初の建築物である要塞のカスールアルホスンにも訪問。ガイドさんとの対話を通じて、出生率の低さの問題や婚姻の慣習の衝撃、また民主主義のあり方など、日本とまた異なる文化風習や問題について知る機会となりました。 アブダビの歴史や日本との関係性について深く学ぶことのできる1日となりました。


Day 3
環境学習で午前はマングローブの森でのカヤック体験を行いました。石油産出国であるUAEでは、気候変動、環境保全への対策として国を挙げて急ピッチでマングローブ植林政策が進められています。ジュベイル・マングローブ・パークは身近にマングローブに触れ学べるように整備された場所で、カヤックを楽しむこともできる場所です。マングローブの自然の中での、生徒たちは心地よい雰囲気を感じながらひとときを過ごしました。

午後はマスダール・シティを訪問。産学連携の実験場と位置付けられ建築がまさに進められている、ゼロ・エミッションの政策を体現する未来都市です。世界初のAI大学や、自動運転の車乗車の体験など、驚きの連続でした。その後生徒たちは各ホストファミリーに連れられ、いよいよホームステイをスタートしました。


Day 4
午前はシェイクザイードグランドモスクを訪問しました。観光スポットということもあり、海外からの旅行客に溢れていました。女子生徒はヒジャブとアバヤ、男子はカンドゥーラで訪問しました。日本ではなかなか感じることのできない宗教について触れる貴重な機会になりました。 UAEは他宗教にも寛容ですが、モスク内では最大限に配慮することが求められます。女性が髪を隠すことはもちろん、ピースサインは禁止、ぬいぐるみや国旗も持ち込みが禁止されています。ちなみにスーパーなどでは、豚肉を売っているエリアが目隠しのゾーニングをされたり、毎日お祈りの時間になると街中にお祈りの歌が流れるなど、日常の中に当たり前に宗教があります。お互いの違いに配慮しながら共生する姿を見ることができ、非常に興味深いです。

午後はATSでの日本文化発表のいよいよ最終回。生徒たちもやり切った、と達成感のある表情でした。既に卒業していたバディも会いに来てくれるなど、全員が再会を果たすことができました。日本語を学ぶ生徒たちにとって、日本の生徒との交流の機会は特別だったとのことで、皆が目をキラキラさせて参加をしてくれていました。



Day 5
午前はJICE(一般財団法人日本国際協力センターの略称で、国際社会の発展に貢献するため、留学生支援、国際研修、日本語教育、多文化共生などを通じた人材育成を行う団体)のアブダビ事務所を訪問。超高層ビルの29階のフロアで海を一望できるオフィスに生徒たちは驚いていました。UAEの地で日本との関係強化に取り組まれていること、日本語教育の実際についてお聞きしました。

午後はAbrahamic Family Houseという学習、対話、信仰実践のための施設を訪問しました。イスラム教の「モスク」、キリスト教の「協会」、ユダヤ教の「シナゴーグ」という3つの宗教的空間と、対話のためのスペースが設けられている場所です。それぞれの礼拝堂を見学することができ、生徒たちもここまでの旅を振り返るかのように、心静かにその場を感じる様子が見られました。UAEが国として大切にしている「寛容」を表す場所の一つでした。

そして、いよいよアブダビ石油鉱業所でのプレゼンテーション!「日本の高校生から見た日系石油開発企業『アブダビ石油』の価値とは?その価値を未来にどう活かせるだろうか?」をテーマに3グループに分かれて発表しました。本研修で学んだことを取り入れることを条件としていたので、前日夜遅くまでスライドを調整したグループもあったようです。生徒達の発表内容は、ADOCの皆様のこれまでの実績の上に、未来に向けて力強く進むための提案やアイディアに満ちていました。所長はじめ皆さんが興味深く耳を傾けてくださり、各グループに温かいコメントを述べてくださる姿に、生徒たちも緊張がようやく解けた様子でした。さらに全てのホストが発表にかけつけてくださいました!UAEという遠い場所で日々創意工夫を重ねてミッションに向き合われている鉱業所の日本人の方々の姿はとても輝いており、生徒達にとってグローバルに働く一つのロールモデルとして大きな刺激となったことでしょう。生徒達にフラットに、そして敬意をもって接してくださった鉱業所の皆様に心より感謝申し上げます。
研修ラストはサプライズでドバイでのディナークルーズ。ここまで全力で頑張って来た生徒へのご褒美に、大喜びでした。生徒達はUAEを離れる寂しさも感じながら帰国の途につきました。



【参加生徒の振り返りより】
• 今回の研修で最も大きな学びは、持続可能な社会は「将来の理想」ではなく、すでに現実として進められているということだ。マスダール・シティやマングローブパークを訪れ、環境保全や再生可能エネルギーの取り組みが、実際の暮らしや都市づくりに組み込まれていることを目にしたことで、環境問題をより身近な課題として捉えるようになった。また、ATSの生徒やホストファミリーとの交流を通して、文化は一方的に学ぶのではなく互いに分かち合うことで人との距離を縮める力を持つことにも気づいた点が、強く印象に残っている。

• これからの社会では日本という1つの国ではなく多くの国の人々が繋がりを持って生きていく必要があり、自分から積極的に行動していこうと感じました。また、アブダビに魅力を感じ、率直にアブダビで働くことにも興味を持ちました。

• 過去に2回、日本でバディを行いある程度アブダビの文化について理解をしていたつもりではあったが、現地へ実際に行くことでより理解を深められた。おそらく旅行で行っても出来ない体験(アブダビ石油の取り組みを知ったり家庭料理を食べたり)がこの研修で出来たことは、これからの自分の将来の理想の働き方などに大きく影響を受けたと感じる。また自然と都会が共存している部分で日本との共通点を感じたり、逆に日本では絶対にない場所(イスラム、キリスト、ユダヤなどの宗教が融合した施設)へ行き相違点や価値観の違いを学べたことが私にとってこの研修での大きな収穫だった。

• エネルギーを生み出さないと今の人間は生きていけないけど、そのためには環境問題への配慮もしないといけないということを学んだ。石油を売ることを仕事にしている人以外の立場の人の視点を知ることが、学びを深めることにつながると思う。今までは石油以外のエネルギー源を使ったらいいと簡単に考えていたけど、それではだめだと知って、同じような考えを持っている人が他にもいると思うから、その人たちにしっかり教えるべきだと思ったし今回学んだことをつなげられると思った。