アメリカ・メジャーリーグでは、日本人3選手が所属するロサンゼルス・ドジャースが球団史上初のワールドシリーズ連覇を達成しました。トロント・ブルージェイズを相手に、第7戦(最終戦)までもつれこみ、どちらが勝ってもおかしくない試合展開の中で、延長11回、1点差の激戦を勝ち抜き、日本人選手の活躍もあいまって、日本でテレビ観戦していた多くの人々に感動を与えました。大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、3選手が多くのファンに感動を与えたのは、彼らがすぐれた能力を持っていることはもちろんですが、一つひとつのプレーに対して、全力で取り組む姿勢にもあったのではないでしょうか。ただし、世界中の人々に感動を与えたのは、それだけではなかったようです。

米スポーツ専門局「FOXスポーツ」のアナリストのベン・バーランダー氏は自身のX(旧ツイッター)に試合後のベンチと山本の画像を投稿。「ヤマモトがポストシーズンで2試合連続完投を達成し、その後クラブハウスに行く前にダグアウトのゴミをすべて片付けました」と伝えた。 ゴミ拾いといえば、同僚の大谷翔平投手もグラウンドに落ちていたゴミを拾う姿が目撃されており、その人間性が称賛を集めていた。メジャーリーグのポストシーズンでは24年となる2試合連続完投勝利の裏で、プレー以外にも一流の言動を見せていた。(1)

これこそ、リスペクトの精神に他なりません。

 

さて、先日の中学校体育祭は、まさにリスペクトの精神にあふれた一日になりました。

運動の得意不得意に関わりなく、5つの団に分かれて、お互いに励まし合いながら、生徒たちが一所懸命に、全力で取り組んでいたこと。

生徒会役員、実行委員が声を出し合いながら、進行、招集、設営等の役割を役割をテキパキとこなす姿が頼もしかったこと(予定時間ぴったりに終了したのも驚きでした)。

そして、競技後は、各団集会で簡単な振り返りを行い、テント撤収、道具の移動、団エリアの清掃にすべての生徒が率先してとりくみ、あっという間に片付けが終了。終了後は、アイリスグランドにはゴミが一つも落ちていなかったこと。

生徒たちが設定したテーマは「本当の『かち』とは何か」です。「かち」には「勝ち」と「価値」の2つの意味が込められているのでしょう。今回の体育祭は、勝ち負けの結果よりも、取り組みの過程でお互いをリスペクトしあうことに価値がある、というメッセージにふさわしい行事になりました。

最後に、5人の団長による選手宣誓がとても素晴らしいものだったので、紹介しておきます。

宣誓! われわれ生徒ー同は、 これまでたくさんの行事や授業の中で、みんなで作り上げていく経験をしてきました。
今日は体育祭。1、2、3年全員が協力して団で競い合います。
3年生!最高な体育祭にする心の準備はできていますか!?
今まで先輩たちが作り上げてきてくれた体育祭にリスペクトしつつ、自分たちにしかできない面白い体育祭を作り上げます。
本当の「かち」とは何か。
どんな結果であろうと、楽しんで笑顔で終われる体育祭になるよう、正々堂々と競い合うことを誓います。
2025 年11 月7 日

 

注釈

(1) サイト「Full-Count」2025.10.26記事
https://full-count.jp/2025/10/26/post1853151/