25年前、「image(イマージュ)」というコンピレーションアルバム(CD)が発売され、ヒーリングミュージック(リラックス効果のある癒し音楽)がブームとなりました。NHKスペシャル「映像の世紀」テーマ曲「パリは燃えているか」、TBS系「情熱大陸」メインテーマ等、誰もが一度は耳にしたことのある曲が多数収録され、私のお気に入りの一枚でした。

その収録曲の中でもひときわ印象に残ったのが、宮本文昭のオーボエによる「風笛(かざぶえ)」です。NHK朝ドラのテーマ曲だったのですが、私は見ていなかったので、「image」でその存在を知りました。サビよりも冒頭のメロディに「力」があり、オーボエの物悲しく優しい響きによって、聴く者を楽曲の世界に一気に引き込むような、不思議な魅力を持つ曲です。

なんと、その「風笛」が今年の高校バトントワリング部のテーマ曲に選ばれたではありませんか。顧問・コーチの倉地光悦さんに選曲・構成・振付をしていただきました(倉地さんに感謝)。

しかも、今回初めて知ったのは、「風笛」には後から歌詞が作られたという事実。調べてみると、宮本文昭の娘でバイオリニスト宮本笑里の友人である歌手の平原綾香が詞を書き、宮本笑里「風笛〜Love Letter〜 featuring 平原綾香」というコラボレーション作品となったことがわかりました。

こうした経緯から、私個人としては、例年以上に今回の作品への思い入れを強くしたわけです。

 

さて、滋賀県バトン協会理事長でもある私は、幕張メッセで開催された第53回バトントワーリング全国大会に参加し、本校チームの応援に行ってまいりました。

高等学校部門には、全国から48校が集いました。、本校チームはグランプリを獲得することはできなかったものの、昨年に引き続き全国3位を獲得することができました。

上位入賞校において、激しさとテクニックを重視する「動」のチームが多い中、本校は優雅さと芸術性を追求する「静」のチームとして際立っていました。ゆったりとした芸術的表現の中に秘めた情熱がほとばしるような「緩急自在」の舞を見て、私は心が熱くなりました。グランプリを逃した悔しさはありますが、高い目標をめざして挑戦を続けてきた彼女たちの汗と涙がもたらした全国3位の成果は、全校生徒に夢と希望を与えてくれる、確かな証になりました。

 

あらためてバトントワリング部の皆さんに心からの拍手を送るとともに、多数駆けつけていただいた保護者・ご家族の皆様に感謝申し上げます。