高校 Global Leadership Program「ポーランド・ドイツピーススタディ」【後半】
2019.8.5
早朝4時にクラクフ空港へ向かうと、なんと先日お世話になったサンスター日本語学校の校長先生と生徒たちが見送りに来てくれるという、感動的な一幕があり、いよいよドイツ・ベルリンへ。2日間で世界大戦の歴史と合わせて、現在の世界の抱える問題である難民について学習しました。
ベルリンの壁の史跡や、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の方から世界の難民の現状を学び、ベルリンの隣町・ポツダムでは会談が行われたツェツィリエンホフ宮殿を見学しました。アメリカのトゥルーマン大統領、イギリスのチャーチル首相、ソビエトのスターリン書記長が執務していた机と椅子がそのまま残されていたので、生徒達も感慨深い様子でした。ポツダム会談が終わった1945年8月2日から終戦日までの原爆投下を含めた経緯など教科書では習わないことも学びました。
また今回のプログラムの中でも生徒達が衝撃を大きく受けたのが、2015年にシリアから難民として来た方のお話を聞いた体験でした。シリアからドイツに渡って来た壮絶なお話に一同固唾を飲みながら聞き入っていました。
最後の夕食で参加生徒達が話した内容はそれぞれですが、各々今後の生き方に影響を与える研修となったようです。見たこと、学んだこと、感じたこと、そしてこれからやりたいことがどのように参加生徒の口から出てくるか、楽しみにしたいと思います。
【生徒のレポートより一部抜粋】
約1週間でとても多くのことを学ばせて頂きました。そこで、事前学習からツアーまで総じて言えることは、何も知らない、無知であることはとても危険な状態であることです。
例えば、なんの事前学習もなしにツアーに行ったとします。そこで得られるもの全てが新しい情報です。そして予備知識がなくては理解することができない情報もきっとあるでしょう。入ってくる情報が多すぎてきっと頭がパンクしてしまうでしょう。実際ツアー中に予備知識とガイドさんのお話で新しい気付きに結びついたり、考察により、教科書には載っていないような歴史を紐解いたりするような事が何度かありました。この無知が問題であるのは歴史だけではありません。現在も一緒です。UNHCRの職員の方、難民としてシリアからドイツに渡ってきたサミッシュさんの話を聞いて、いい意味で価値観をごっそりえぐられました。正直何も知りませんでした。聞いた後、何も知らない自分を情けなく感じ、難民の方達に罪悪感を持ちました。おそらく日本は今後難民受け入れに関する話題は避けては通れないことでしょう。おそらく、日本人は彼らの事情も知らず反対する人が多くいる思います。心無い応対をしてしまう前に、彼らの決死の決断に失礼がないようにたくさんの人への認知が必要だと感じました。
最後に今回僕達は自ら声を上げこのツアーへ参加しました。その結果多くの学び、貴重な経験をすることが出来ました。
1歩目を踏み出せば多くの見返りがある。これは今回のツアー最大の気付きではないのか感じています。僕達日本人は自発的に動き出すのが苦手です。ですが今回、最初のちょっとの勇気さえあれば、とても大きなものを手に入れることが出来ること身をもって体感することが出来ました。
このツアーのことを忘れることなく、様々な事へ貪欲な姿勢で向かってどんどんたくさんの知識、色んな人の考え方を吸収していけたらなと思います。