留学生のトマ・ラノーさんが世界史の授業でプレゼンテーションを行いました

2019.12.18

 12月12日(木)および14日(土)、高校1年生グローバルクラス世界史A(田辺記子先生)の授業で、ベルギーの長期留学生トマ・ラノーさんがプレゼンテーションを行いました。授業のテーマは、「『国家』とは、どうあるべきか」。生徒はこれまでに、「世の中に“良い”独裁ってありますか?」と題して、クラスでプレゼンテーションを行ってきました。締めくくりに、田辺先生から先生がこの夏訪問したルワンダの「“良い”独裁」についてもプレゼンを聞き、これが本当に良い国の形なのか、これが持続可能な社会の形なのかについて考えました。

 アフリカの小国ルワンダ。物理的にも精神的にも日本の高校生にとっては遠い国です。しかし、「ルワンダをかつて植民地支配していたのはベルギーだった」というくだりで、突然ルワンダを身近に感じた生徒たち。ベルギーと言えば、長期留学生トマさんの出身国です。ベルギーでは、激しい民族紛争が起こったルワンダを過去に自国が植民地支配していたこと、そしてその支配の様子を、どのように学ぶのでしょうか。

 このような観点から、授業の後に、ベルギーにおける歴史教育についてトマさんが日本語でプレゼンを行いました。植民地支配の様子を、写真を交えながら語ってくれたトマさん。こうした自国の植民地支配について学校で学ぶ機会は乏しく、「忘れないためにもっと学ぶべきだと思う」と話しました。ベルギーには、高齢の方を中心にルワンダに住んだ経験のある方も多数いらっしゃるようですが、植民地支配の歴史について学び話す機会はあまりないのが現状だと話してくれました。

 ベルギーに限ったことではありません。私達も、十分に歴史を学び語っているだろうかと、自問した生徒も少なくなかったはずです。留学生との交流を通じて、世界を自分事だと感じ、自分を振り返る。そんな経験を、これからもどんどん積んでいきましょう。

★生徒の感想
・ベルギーが植民地支配していた国だとは知らなかったから、その歴史にまず驚いた。残酷な差別をしていた国はドイツというイメージが強かったが、まだまだ他にも自分が知らない過去があり、知るということがどれだけ大切か感じさせられた。
・トマさんの話を聞くまで、植民地支配をしていた国の人たちがどのように考えているのか聞いてみたいとずっと思っていました。テレビや新聞、教科書などは、被害にあった人たちの話がほとんどだからです。―(中略)-トマさんは、ベルギーが実際にしていた差別や迫害はベルギーでは教えられていないと言っていました。―(中略)-トマさんの話を聞いて、ベルギーだけでなく、日本もそのように伝えられていない過去があるのではないかと考えました。
・それぞれの国の歴史を理解することは、それぞれの国を理解する上でも重要ではないかと思います。よって、トマさんの発表を聞いて、歴史を学ぶことは世界と関わっていく中で必要なことであると思いました。