高校 サイエンスキャンプ木曽駒ヶ岳研修

2022.10.14

10月10日(日)~11日(月)、高校2・3年の理系生徒を中心に募集し、「2022年度 サイエンスキャンプ木曽駒ヶ岳研修」を実施しました。

1日目は長野県駒ケ根市宮田町で行われているシンポジウム「第20回 ライチョウ会議」に参加し、2日目は千畳敷カール・木曾駒ヶ岳をフィールドワークする行程です。

駒ヶ根市は長野県の南部に位置しており、中央アルプスと南アルプスに囲まれた夏でも冷涼な場所となっています。この自然に溢れる土地で開催される公開シンポジウム「第20回ライチョウ会議」に参加して参りました。ライチョウは国の特別天然記念物に指定され、環境省が作成するレッドリストでは絶滅危惧IB類に評価されています。このシンポジウムでは、ライチョウの研究を通して、自然環境の大切さ、地球温暖化が生物に与える深刻な影響など、生物の多様性の重要さを学び取る有意義な時間となりました。内容としては専門的で難しい部分もあったかとは思いますが、多くの生徒がメモを片手に普段なかなか聞けることができない貴重な話に耳を傾けており、質疑応答の時間(500人規模のシンポジウム)に積極的に質問する生徒も出てくるなど、前向きな姿勢が見られました。 また、会終了後には急遽テレビ局(NHK)と新聞社(毎日新聞)からの取材がありました。

木曽駒ヶ岳は、南アルプス最高峰の標高2,956mを誇ります。日本一の高低差を誇るロープウェイで一気に2,612mまで到達後、色とりどりの貴重な高山植物、紅葉を眺めながら山頂を目指します。

この度の研修ではあいにくの悪天候により、当初の予定から大幅に短縮した行程とすることを余儀なくされましたが、ロープウェイは通常運転をしており、現地ガイドのもと登山道を散策することができました。

予定していたコースとは異なりましたが、普段見ることのできない貴重な高山植物など、大自然に触れることができ、生徒たちも満足した様子でした。

本研修は8月に予定していた富山県の立山登山の代替として実施しました。8月は新型コロナの影響により中止を余儀なくされ、この度の研修でも悪天候により研修内容を縮小せざるを得ないなど、参加生徒は本当に残念な思いをしたと思います。

それでも、雨に濡れながらの木曾駒ヶ岳の巡検では生徒たちは笑顔に溢れ、「その場」を本当に楽しんでいました。また、自然環境の厳しさを身に染みて実感したことと思います。

急な変更がありながらも柔軟に対応ができ、「その場」を楽しむことができることは、参加生徒の武器だと思います。これからもその積極的な姿勢を武器にし、活躍してくれることを期待しています。

以下、生徒の感想の一部です。

「最初行く時はライチョウは名前はどこかで聞いたことがあるなくらいの感覚だったけど、このシンポジウムの講演を通して、こんなにもライチョウの保護に時間と労力をかけている人がいるんだということを知り、大切にしていかなければならないと思った。また、ライチョウだけじゃなくて他の植物や動物も同じように守られていると思うと今までとは自然に対する見方が変わった。」

「全体的にイレギュラーな事の連続で不安な気持ちもありましたが個人では得られない物を得られたかなと思います。失敗も一つの成功に繋がるだという事を身をもって感じられた研修でした。」

「自分は本格的な登山とかをしたことがなくて、夏休みにある予定だった立山をものすごく楽しみにしていた。なのでコロナで行けなかった時はすごい残念だった。けど今回このように無理な日程の中で調整してもらって場所は変わったけど木曽駒ヶ岳に行くことが出来てよかった。不運が続いて山頂までの登山は中止になってしまったけど、それも今回で満足せず次またチャレンジしてという意味なのかなとか思ってこの研修を終えたいと思います。」