高校 SMAP「Okinawa Peace Study」 およびミシガン高校生への報告会を実施しました

2023.1.11

12月25日から28日、SMAP第6期生の本校高校生8名および1名のアメリカからの留学生が沖縄県を訪問し、米軍基地についての賛否両方の立場の現地の声を聞き議論するプログラムを実施ました。

4日間の行程の中で、生徒たちは本プログラムのスローガンに設定している「行こう。画面の向こうのセカイへ!沖縄の本音を聴きにいこう」を実践しました。私たちが本土で目にするメディアの情報はリアルなのか?現地の人たちは一体どんな本音を語ってくれるのか?生徒たちが訪問したのは佐喜眞美術館、コザ街歩き、嘉数高台展望台、沖縄国際大学、普天間基地の移設先となっている辺野古地区、キャンプシュワブ、そして「道の駅かでな」です。

どの場所で出会った方々にも生徒たちは積極的に質問し、非常に活発な議論となりました。様々な立場の方々との出会いやお話から率直に多くを受け止め、一方で米軍基地問題が実は非常に複雑で、歴史や政治的な問題、そして様々な人々の気持ちや想いをはらんでいることを改めて肌で感じることとなりました。生徒たちは、どのように考えていけば良いのかはまだまだ考えがまとまらない、と漏らしていました。生徒のうちの一人は、「基地反対派・賛成派があったとしても、全ての人は沖縄が好きで、沖縄を守るために純粋に活動しているのだとわかった」と述べていました。研修の中で特に、いずれも自分達と年齢の近い、沖縄国際大学の大学生たち、そしてキャンプシュワブの米兵たちとのディスカッションは生徒たちにとってインパクトが大きかったようです。大学生たちとの議論の中で、「若者たちにとって生まれた時からある基地がある意味当たり前で、より良い共生を目指している人が多いように感じた」という生徒もいれば、海兵隊の隊員の「日本が好きだし、ここの平和を守るのは何より大事なことだ」という言葉がとても印象に残った生徒もいました。

1月7日、早速沖縄での学習内容を各グループに持ち帰っての報告会を、ミシガンの生徒たちに対して実施、質疑応答を通じ、現地での学びを発信する難しさとその責任を改めて生徒たちは感じたことと思います。環境問題がテーマのグループのミシガンの生徒からは立守生徒によるプレゼンから、 “Ritsumori student shared with us that there were a lot of measures taken from negotiators that would advocate for the safety and protection of nature, and their positive impact to decrease harm to nature.”ということを学んだとの報告もありました。

Shiga Michigan Assembly Project For Youth (SMAP) 第6期Okinawa Peace Studyは、本校高校生10名と、ミシガン・アテンズ高校とトロイ高校の高校生11名が、今後の日米関係について考える毎月1回の学習会をこれまでに6回に渡り継続して実施してきています。今回残念ながらミシガン高校生たちの参加は、航空運賃の高騰により実現しませんでしたが、本校生徒たちは事前に同じミシガンのチームメンバーから託されている調査活動を実施するというミッションを持って研修に臨みました。また、なんとSMAPアメリカサイドを運営いただいているMori先生がミシガンから駆けつけ、本校生徒たちに様々な視点を提供してくださいました。訪問先をはじめ、本プログラムにご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

本プログラムは、本学園のR2030 推進のためのグラスルーツ支援制度を受けて実施しており、継続してリサーチ、議論を行い、今回の沖縄での研修を経て、日米高校生での最終協働プレゼンテーションを2023年2月4日(土)に予定しています。

◆生徒たちの感想
・沖縄に米軍基地があるべきかどうか、賛成派と反対派が五分五分という感じがした。なかでも、印象的だったのは年齢層で意見が分かれているという感じがした。また、この問題を知らない、無関心という人も沖縄にいることに驚いた。そんななかで、個人的にはこの問題に無関心、知識のない人々が今後大人になっていくにつれて、沖縄米軍基地問題はどんどん引きずってしまうのでないかと思った。
・基地があることが沖縄の経済に良いと答えている人は実際に基地による恩恵を受けていて、経済的に悪いと答えている人は日頃からデメリットの方を強く感じている、ということが意見が分かれていた理由だと分かりました。当然のことなのかもしれませんがその人がその地域でどのように過ごしているのか、立場や境遇の違いが意見の違いにつながっているのが実感できました。
・一番驚いたのは米軍基地でした。米軍基地に行って、海兵隊の方達とお話ができる機会がありました。事前に用意していた質問をいくつかした後、海兵隊であるカルロスさんからアミーゴと言われました。スペイン語で友達という意味なのですが、日本人、アメリカ人などの国境や人種を超えて純粋に友達になろうという言葉に非常に感動しました。