高校海外研修レポート⑧ ニューヨークコース

2023.3.13

 2月28日から3月7日までFTコースはニューヨーク研修を実施しました。FTコースは以前よりAM・GLのコースとは時期が違ったこともあり、特別なコースを実施してまいりました。2020年からそのコースをニューヨークに変更する予定でしたが、新型コロナウィルスの拡大の影響を受けて、これまで実施することができていませんでした。今回、初めての実施となります。
 このコースでは世界経済、国際政治の中心ニューヨークで「未来を語る力の育成」「世界的視野で事象を捉える力の育成」「高い倫理観の育成」の3つの柱を掲げ、多彩なプログラムが組まれています。事前学習では、朝日新聞連携講座や滋賀医科大学医療基礎セミナーと連携し、半年間に亘って取り組んでまいりました。
 「未来を語る力の育成」においては、世界で活躍する多くの日本人の方々との対話を行いました。在ニューヨーク日本国総領事館では、外務省職員の日本人の方や、現地で働く外国人の方と対話を通じて、海外で働くことの意味や難しさ、領事館の役割にとどまらず、「日本」を客観視できるような体験ができました。
 「世界的視野で事象を捉える力の育成」では、911アメリカ同時多発テロや、現在も継続しているウクライナ戦争について国連の見学などでも直接質問する機会がありました。ウクライナでの戦争については朝日新聞連携講座でも実際に記事を書いている石合力編集委員の講義も受けて臨みました。「双方の立場がある、ロシアには拒否権がある。戦争はどうやって終わるのか」国連では厳しい問いが突き付けられ考えさせるプログラムになりました。
 「高い倫理観の育成」ではコロンビア大学附属病院の加藤友朗医師、マウントサイナイ医科大学附属病院の山田悠史医師の講演を実施。日本のテレビ番組にもよく出演されている、医学界のビックネームにニューヨークで直接話を聞く機会に恵まれました。山田先生からはニューヨークでのコロナウィルスの初期の状況から現在までの実情や、ご自身の今の医療についてお話しいただきました。食事を囲んで、という雰囲気も相まって、積極的に生徒も耳を傾けていました。加藤先生からは自身の実際の手術映像や、実際に回復された方のお話を中心にしながら、多様性のあるアメリカでの医療についてお話しいただきました。生徒の学びの大きさは感想を見ていただければわかると思います。
 しかし、まだこのコースは終わっていません。事後学習をしっかり完成させ、ゴールテープを切ることで、まだまだ成長します。これからのFTNYニューヨークコースにもご期待ください。

(生徒の感想)
・世界の国々が全て日本のような平和な国ではないということ、そして今私たちが何気なく過ごしている日常が決して当たり前のものではないということを学んだ。そのような現実を受け取って、日本で完結せずに世界を見ること、視野をもっと広げることが大切だと感じたから、まだどうなるか予想もつかない未来をより鮮やかにするためにも、これからの自分の将来につながる一つ一つの選択を大切にして、一度しかない人生を悔いなきものにしたいと思った。

・NYCの多様性を肌で感じられたこと、さらにはそこから生まれているリスペクトをひしひしと感じ取れた。日本とNYCでは全く持って考え方も文化も違っていて、はみ出して、飛び抜けて、変わっている人がいても受け入れる姿勢がとても好きで、見習わなければいけないと思いました。また、多様性を受け入れていると、ここまで町中にエネルギーが溢れていて、ワクワクさせてくれるのかと思った。これは、ニューヨークにいる人々が、また彼ら自身も莫大なエネルギーを持ってして行動しているからだと思った。

・初めての海外がニューヨークで緊張が大きかったですが、二日くらい経つと緊張が解けてニューヨークの生き生きとした姿に自分の気持ちまで明るくなっていました。ニューヨークでは自分の生き方を見直す良い機会となりました。私は人前で自分の意見を発表するのが苦手ですが、ニューヨークで活躍する人々の話を聞いて、謙遜と自分の個性を隠すことは違うということがわかりました。このことから自分の興味のあることを追求し、大学にいっても積極的に興味のあることの学びを深めていきたいです。