高校 インドネシア・フィールドスタディ研修への派遣を行いました

2023.11.10

 10月30日から11月4日、高校1年生から3年生までの5名の生徒達が、本校の教育提携校であるインドネシア・バリ島のハラパン・クリスチャン高校へ訪問し、現地の人々のご家庭でのホームステイを体験しました。本研修の目的は異文化理解、インクルーシブ社会、そしてアントレプレナーシップを養うことです。各地で大変温かく受け入れていただいたことに感謝いたします。

 バリは最も長い乾季が続いており、しばらく雨が降っていないことで、ゴミ山の火事が続くなど、気候変動を肌で感じているとのことでした。またオーバーツーリズムにより引き起こされるゴミ問題や水不足問題など、様々な社会問題を抱えています。貴重な水資源が観光業に搾取され、地域の農業が成り立たない状況もある中、8割以上の人が観光業に関わっているという現実もあります。そんな環境問題やゴミ問題、社会問題を解決するための循環型のビジネスモデルとして、一般社団法人Earth Companyで運営されているMana Earthly Hotelを訪問しました。
 お話を伺った藤本亜子さんからは、高校生から現在のお仕事までどのようなキャリアを歩んで来たか、そして快適で素敵なホテルがどのように循環型エコ設備を可能としているのか、内部を見学させて頂きました。生徒達にとっては驚きと新鮮さ、また「これまで豪華なホテルに泊まることが良いと思っていたけれど、考え方が変わった」という感想や「何を発展と呼べば良いのか」という疑問を与えたようです。
 次に訪れたGreen Schoolは、世界中から生徒が集まる森の中にあるエコを追求する学校です。その教育施設も、また小中高と生徒達が行う「探究活動」がその教育活動の中心となっており、通常の学校のカリキュラムとは全く異なる学校の姿には、ただただ驚きだったようです。そしてこれらのエコに注力する施設を見た後、さらに驚いたことは、市内でゴミが溢れ、ゴミ山もあり、またゴミの分別を政府が訴えているが一向に進まないという現実でした。参加した本校生徒達は目にした様々な情報や現実について、事後学習を通じて整理し、より理解を深めていきます。

 ハラパン・クリスチャン高校では、盛大な歓迎を受けました。日本人に興味を持っている生徒が非常に多く、中には日本語の授業を受講している生徒もいます。本校生徒たちは日本文化の発表や紹介を行い、様々な授業に参加をさせていただきました。それぞれのバディのご家庭で、現地ならではの想像を超える「異」文化の生活様式を体験し、またバディ生徒たちとの友情も短い期間で一気に深まり、多くの友人たちを得て帰国をしました。複数の宗教が日常生活に深く根付き、互いを尊重しながら共生している様子や、各地の伝統的な美しい寺院も非常に印象的でした。現地の先生は、「バリはただの観光地ではなく、豊かな文化が根付く場所であることを伝えてほしい」とおっしゃっていました。

 今回の訪問を機に、2校の関係ひいては2国間の関係が、より深まることを期待しています。次年度はハラパン高校から本校を訪問される予定です。
 本プログラムは在インドネシア日本国大使館、インドネシア日本国交樹立65周年記念の後援、また立命館学園グラスルーツ実践支援制度の助成を頂き実施しています。