高3サイエンスAP 理工学部ミニレクチャー「かたちの物理学」
2024.6.18
今週のサイエンスAPでは、理工学部物理科学科の和田浩史教授から、身近な物理学の面白さとともに『収納と展開』についての講義を受けました。
和田教授は、最も身近な例として、2メートルに及ぶDNAが100万分の1に折りたたまれて細胞の核の中に納められている遺伝情報を挙げました。また、昆虫の羽や草花のつぼみが効率よく収納されていることを再確認しました。その後、生徒たちはあらかじめ折り目が印刷されたコピー用紙を使って『みうら折り』に挑戦しました。どの生徒も四苦八苦しながら一つ一つ折り目を付け、みうら折りを完成させていきました。これを通じて、人為的に規則的な折り目をつけることの難しさを体験し、一方で自然界ではみうら折りのような規則的な折り目が物理法則に従って随所で活かされていることを学びました。
このような自然界で見られる『収納と展開』は、力学的に見たときにエネルギーが最も少なくて済み、限られた空間内に納まるための合理的な状態であることを学びました。また、その規則的なパターンが物理法則に従って生まれることを理解し、それが人々に美しく感じられる理由を再認識しました。
受講した生徒たちからは、「大人たちが時間やお金をかけて作り出した便利なものが、紙を筒に巻いて押しつぶすだけで一瞬でできるなんて、とても面白い」といった感想が寄せられ、楽しみながら理解を深めることができたという意見が多く聞かれました。