高校 「2025年度くじらの博物館研修」を実施しました

2026.2.10

 1月31日から2月1日にかけて「2025年度くじらの博物館研修」を実施し、高校1年生5名、高校3年生3名、合計8名が参加しました。本研修では、和歌山県太地町にある太地町立くじらの博物館およびその周辺地域でのフィールドワークを通じ、クジラの生態や進化に加え、捕鯨に関わる国際的・文化的背景について学びました。

【1日目】
午前:講義と展示見学
初日は、太地町立くじらの博物館で、30分ほどの館内見学の後に副館長兼学芸員の中江環さんから「くじらの種類・進化・骨格・生態」に関する講義を受けました。講義では「一般にイメージされるくじらはどんな姿か?」「くじらとイルカの違いは何か?」「クジラのなかまの祖先はどんな動物か?」「歯クジラのなかま(イルカも含まれます)が出している音の分類はいくつあるか?」「クジラは寝るときどういう体勢で寝るのか?」など興味深い問いを交え、実際のくじらの歯、クジラひげなどに触れる体験もあり、体系的な知識を深めることができました。
続いて、アメリカ・ニューベッドフォード捕鯨博物館での勤務経験を持ち、現在は太地町歴史資料室の学芸員を務める櫻井敬人さんから、「多様なクジラ×多様なヒト クジラとヒトの多様なかかわり」と題して捕鯨の歴史の基礎的な話を伺った後、館内3階の実際に使用されていた捕鯨船や当時の屏風絵を見学しながら解説を受けました。また、2階では中江さんから主にクジラの進化に関する展示に込められた思いやこだわりについて説明があり、参加した生徒たちからも質問が飛び交い、深い学びができました。

【2日目】
早朝:水揚げ場見学
翌朝6時半、太地町漁業協同組合の専務理事である貝さんの案内で、定置網漁から帰ってきた船舶からブリやサバをはじめ様々な魚が水揚げ、仕分けされる様子を見学しました。マンボウやサメも捕獲され、それらの調理法も伺うことができました。

午前:博物館での再学習
宿舎に戻り朝食を済ませた後、再びくじらの博物館の講義室にて、貝さんから捕鯨と太地町の生活、江戸時代から続く太地町の古式捕鯨から近代捕鯨への変遷、さらに反捕鯨団体の活動について詳しく説明を受けました。反捕鯨団体が指摘する問題点に漁協が具体的にどのように改善してきたかなど、捕鯨を生業とする漁協の視点を直接伺うことで、生活や立場・考え方が違うところからくる対立をどうとらえていけばいいかという貴重な機会となりました。

午後:現地体験
カヤック体験のできるエリアで飼育されているイルカを見学しました。ここから国内外の水族館に送られるイルカの健康管理・訓練が行われています。そして、実際にイルカ類の追い込み漁が行われている入り江などを見学し、昼食にはくじらのスタミナ丼を味わいました。午後は博物館に戻り、イルカショーおよびクジラショーを鑑賞。さらに、イルカへの餌やり体験も行い、1日目の講義内容を間近で確認することができ、理解を深めました。

【研修を終えて】
2日間という短い期間でしたが、生徒たちは専門家の講義や現地でのフィールドワークを通じ、くじらの生態や進化などについて興味関心を掻き立てられました。そして、捕鯨を生きる糧として長年大切にされてきた太地町での生活や歴史・文化と、極端な動物保護団体の考え方や行動の違いなどについて深く考察する貴重な機会ともなりました。この研修での学びや、講師の皆さんとの質疑応答、1日目の夕食後の感想交流会を通して、今後の学びにとって大きな糧となることを願ってやみません。