新しい「放課後」への挑戦
─最高にカッコよかったリツモリダンスチーム─
─最高にカッコよかったリツモリダンスチーム─
3月最後の日曜日、守山市民会館大ホール。いつもは式典や講演会で足を運ぶ場所ですが、この日は入口から空気が違いました。
ダンススタジオThink(以下「Think」)主催の「Studio Think Dance Concert VOL.24」——1年間の練習の成果を披露する大ステージ。私は(これまで、そしておそらくこれからも)ダンスに縁があるとは言えない人間ですが、「これは一度、生で見ておかなければ」と思い、会場に向かいました。
思えば、Thinkとの教育連携協定を結んだのは2024年2月26日。両者の出会いは、「課外活動のあり方」を問い直すところから始まりました。
Think守山店に「リツモリコース」を設置し、本校の生徒が週2〜3回、スタッフの皆さんから専門的な指導を受ける。ダンスコンテストに出場する際は、立命館守山中学・高校ダンス部として出場する——。学校の枠を越えて、地域の力を借りながら生徒の学びと成長の場を広げる、新しい挑戦です。
2年前の協定締結式で寺田佳司校長(当時)は「放課後に駅前でダンスして帰宅するという新しい形を示したい」「少子化でクラブ運営が難しくなる中、クラブ活動そのものを地域のスポーツクラブに移し、新たなモデルケースにしたい」と語っていました。生徒は専門家から学び、放課後が充実し、教員の負担軽減にもつながる。私たちがめざすのは、単なる「外部委託」ではありません。地域とともに、生徒の可能性を開く「共創」です。
一方、Thinkは、ダンススタジオ運営に加え、個別指導塾の運営、中学校の選択ダンス授業、高校ダンス部の指導など、教育の現場にも深く関わってこられました。取締役の赤田隆太(アスパラ)さんは「青春時代に何かに打ち込み、よりよい時間の使い方をしてほしい。ダンス大会で立命館守山の名を上げられるように切磋琢磨する」と力強く語られています。学校側の課題意識と、地域側の情熱が、同じ方向を向いたのです。
そして迎えた「Studio Think Dance Concert VOL.24」。当日は、Thinkで練習に励む1,000人を超える子ども・若者・大人が、1年間の成果を発表しました。昨年まで2部制だったものが、発表者の増加により3部制へ。滋賀の地に根ざしたダンススタジオとして24年、積み重ねてこられた歴史と信頼の厚みを、会場全体で感じました。
ステージは、私が知っている「市民ホールの光景」とは別世界。ドライアイスの白い靄(もや)が漂い、照明、音響、映像技術が織りなす空間は、まるで一つの都市が立ち上がるようで、観客の心拍数までデザインされているかのようでした。小さな子どもから大人まで、超入門から初級・中級・上級まで。ヒップホップ、ジャズダンス、フリースタイル、そして五輪競技にもなったブレイキンまで、ジャンルも幅広い。なかでも講師陣によるプロのダンス・パフォーマンスには、思わず息を呑みました。「人間の身体でここまで表現できるのか」と。
第1部には18チーム約300人が登場。その後半に、我らがリツモリダンスチーム、中高生21名が登場しました。連携から2年。動きの切れ、シンクロの精度はもちろん、そこに「華麗さ」が加わっていました。振り付けを正確になぞるだけではない。音を身体で受け止め、仲間と呼吸を合わせ、観客に向かって「届ける」。その姿が、最高にカッコよかったです。
私は、課外活動の価値を「結果」だけで測りたくありません。勝敗や順位は分かりやすい指標ですが、それ以上に大切なのは、時間の使い方、仲間との関係、挑戦のプロセス、そして自分自身との対話です。舞台の上で、少しの緊張を抱えながらも前に出ていく姿に、「この2年で身につけたのは技術だけではない」と確信しました。
2時間半。気づけば、あっという間でした。「ダンスに縁がない私」でも、いや、だからこそ、心が動かされたのかもしれません。アスパラさんはこうも語っていました。「上手くやらずに熱くやれ。中高生の時期に人とたくさん関わり、生きる力を育てて、滋賀を盛り上げよう!」
学校の学びは、教室の中だけで完結しません。放課後の時間、地域の舞台、専門家との出会い——そこにこそ、生徒が自分の可能性に気づく瞬間があります。リツモリがめざすのは、生徒の挑戦を、学校と地域が一緒になって支え、伸ばしていくことです。
「Studio Think Dance Concert VOL.24」のステージは、その未来を一足先に見せてくれました。Thinkの皆さん、関係者の皆さん、そして舞台に立ったすべてのダンサーの皆さんに、心からの拍手を送ります。