中高 日本ラチーノ学院との多言語交流ワークショップを実施しました -リアルタイムAI翻訳で「言語の壁」をこえる-

2026.9.8

2026年6月5日(金)、本校の生徒が滋賀県東近江市のブラジル人学校「日本ラチーノ学院」を訪問し、多言語交流ワークショップを行いました。株式会社みらい翻訳のリアルタイム翻訳システム「リスニングアシスタント」を活用し、日本語とポルトガル語、それぞれが母語のまま語り合う新しい国際交流のかたちに挑戦しました。当日の様子は、下記のYouTubeからご覧ください。

▶ リツモリ×ラチーノ学院ワークショップ

■ 母語のまま、対等に話す
本校では4月に、校内で留学生との交流ワークショップを実施しました。今回はその第2弾として、外国にルーツをもつ同世代の高校生とより深く対話できる環境をつくることを目指し、日本ラチーノ学院を訪問しました。
日本ラチーノ学院は、ブラジルにルーツをもつ子どもたちが学ぶ学校です。日常的にポルトガル語と日本語の両方に触れながら生活している生徒たちですが、学校の外で日本の高校生とじっくり語り合う機会は多くありません。本校の生徒にとっても、留学以外の場面で外国にルーツをもつ生徒と対等な立場で対話する経験は、これまでほとんどありませんでした。

■ まずは一緒に笑うことから
交流は体育館でのアイスブレイクから始まりました。じゃんけん電車や伝言ゲームを通して、言葉だけに頼らないコミュニケーションを体験します。最初は緊張した表情だった生徒たちも、ゲームが進むにつれて自然と笑顔が増えていきました。

【じゃんけん電車でアイスブレイクをする生徒たち】

■ 「移動」をテーマに語り合う
グループワークのテーマは「移動」。前半は駅やバス停、空港など日常的に利用する「移動の通過点」について、後半は「移動することは私たちの人生にどのような影響を与えるのか」という問いについて話し合いました。
ブラジルから日本へ来た経験、国内での引っ越し、家族の仕事にともなう移動——生徒たちはそれぞれの経験を語ります。本校の生徒にとって当たり前だったことが、ラチーノ学院の生徒にとっては大きな人生の転機であったり、その逆であったり。翻訳を介しながらも、互いの経験に真剣に耳を傾ける姿が印象的でした。

【グループワークで発表する生徒の様子】

■ 誤訳も、会話のきっかけに
「リスニングアシスタント」は、話した内容をリアルタイムで翻訳して画面に表示します。もちろん完璧ではなく、時には誤訳も起こります。そこで今回は、事前に「話し切る」「最後まで聞く」「誤訳もコミュニケーションとして楽しむ」という3つのルールを共有しました。
その結果、「今の翻訳は少し違うかも」「本当はこういう意味なんだ」といったやり取りから新しい会話が生まれ、生徒たちは翻訳結果だけでなく相手の表情や反応を見ながら対話を進めていました。AIが人と人のコミュニケーションを代替するのではなく、つながるための橋渡しとして機能していたことが、大きな成果です。

【リスニングアシスタントを使用する生徒たち】

■ 参加した生徒たちの声
ワークショップ後のアンケートには、参加生徒35名全員が回答しました。「ツールを使うことで相手を理解できた」「言葉が通じない不安が和らいだ」といった項目で高い評価が得られたほか、「母語で安心して話せた」「話す量が増えた」と感じた生徒も多く、母語で参加できることの重要性が確認されました。
「言葉を気にしすぎずに話せた」
「相手の文化や考え方を深く知ることができた」
「もっとポルトガル語や日本語を学びたくなった」
異なる言語を話す相手との出会いが、新しい学びへの意欲につながっていることがうかがえます。

■ 「誰ひとり取り残さない学校へ」
本ワークショップは、本校が2026年度GPSP(R2030推進のためのグラスルーツ実践支援制度)に採択された取組み「誰ひとり取り残さない学校へ ― リアルタイムAI翻訳を活用した多文化共生モデルの実装 ―」の先行実践として実施したものです。
本取組みでは、①入試広報・PTA・保健室などでの校務利用、②留学生や外国にルーツをもつ生徒が母語で参加できる交流イベント、③AI翻訳が拓く多文化共生の未来を伝える絵本・教材の開発、という3つの場面でリアルタイムAI翻訳を活用し、「言語の壁をなくすインクルーシブ・スクール」の実現をめざします。

【関連リンク】
・当日の詳細レポート(インパクトラボnote) https://note.com/impactlab/n/n07b179c46629
・日本ラチーノ学院 https://latinogakuin.com/
・株式会社みらい翻訳 https://miraitranslate.com/