立命館学園の建学の精神である「自由と清新」、教学理念である「平和と民主主義」をふまえ、立命館守山中学校・高等学校は、「Game Changerになる」ことを学校の教育目的に掲げています。そして、本校では、「Game Changer」を「多様な価値観を持つ他者と協働しながら新たな価値・ルールを社会に提案・実装し、社会に希望を生みだす人」という意味で再定義しています。
「Game Changerシリーズ」の最終回は、本校在学中から頭角を表し、大学進学後も継続して活躍しているGame Changerたちを紹介します。

​次世代教育をめざす高校生起業家

東 紘世(あずま・こうせい 立命館大学生命科学部2回生)
2022年12月、立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催された「Impact Makers Day」に、東さん(当時高校3年生)が高校生起業家として登壇しました。
東さんは、高校3年の4月、個人事業としてNeiPiaを設立、11月にはNeiPia合同会社に法人化し、代表社員・CEOに就任しました。「学生と企業と地域がつながる場の形成」「個々が学びたい個人最適化探究の形成」を企業目的に、「生徒が何事にも恐れず挑戦し、複数人で学べる環境がすぐ近くにある『カタチ』を目指します」をビジョンに掲げ、守山市からの依頼を受け中高生サミットのファシリテータを務める等、学びのあり方を変える活動に取り組んでいます。東さんは次のように語っています。

挑戦,,,挑戦と多くの大人の方々に言われ続けてきたと思います。挑戦といっても何するかいまいちという方も多くいると思います。我々は同世代として趣味を探究にする私たちの挑戦にぜひ一緒に挑戦しませんか?好きを学びに!まずはやりたいことを我々に伝えることが挑戦の第一歩です!(1)

「Impact Makers Day」では、大人顔負けのトークを繰り広げる東さんたちに、参加した大学生や大人達からは「本当に高校生ですか?」との声が聞かれたそうです。

新たなサスティナブルファッションの常識を創る​

速水瑠奈(はやみ・るな 立命館大学政策科学部3回生)
2021年12月、立命館起業・事業化推進室(RIMIX)主催「総長PITCH THE FINAL 2021」において、速水さん(当時高校3年生)は友人とペアを組み、総長、理事長、審査員の前で堂々と発表し、並みいる大学生チームを撃破し、総長賞(最優秀賞)を受賞しました。プロジェクト名は「探究留学」、「自治体の地方創生を、高校生の探究型学習で解決する」ことを目的に高校生が地方に7日間「留学」し、地方自治体の課題解決や魅力発見を行うというアイデアが高く評価されました。この大会には、立命館学園の学生・院生・高校生の計21チームがエントリー、7チームがファイナルに進出していました。
この経験を基に、大学1回生の2022年8月、「サスティナブルファッションの新しい価値観を創る」をコンセプトに電子廃材を輝かせるブランドpotentialを設立、代表に就任し、アクセサリー製作・販売からワークショップまで手がける活動を開始しました(2)。このアイデアを思いついたのは、理工系を学ぶ友人の家で箱に入った電子部品を目撃し、自分にはそれがとても魅力的に見えたのに、捨ててしまうと聞いたので自宅に持って帰ったことがきっかけでした。「膨大な量の電子部品が捨てられてしまう現状を変えたい」との熱い思いが、彼女の原動力となっています。

日本初の一般と総合型選抜の両立塾を創業

廣田七海(ひろた・ななみ 慶應義塾大学法学部3回生)
2020年2月、廣田さん(当時高校2年生)のチームは、全国1,090チームがエントリーした国内最大規模の高校生ビジネスコンテスト「キャリア甲子園2019」のファイナリスト7チームに選ばれました。しかし、コロナ感染の拡大により、決勝大会が中止となってしまいます。しかし、自分たちが経験した悔しい思いを嘆くのではなく、コロナ禍で日本中の中高生たちを励まし活躍の場を与えようと、廣田さんのチームは自らが主催者となって「ビヨンド・コロナ・コンテスト」を立ち上げました。開催にあたって、メンバーはHP作成の技術を一から学び、告知や表彰式に至るまで、すべてオンラインで実施しました。
その後、廣田さんは、高校時代の経験と実績をもって総合型選抜で慶應義塾大学に進学。自身の体験を基に、大学入学後、「日本初の一般と総合型選抜の両立塾」である「慶應スタディ」を設立し、現在、塾長を務めています。彼女は、同社を設立した経緯を次のように語っています。

受験期、私は総合型選抜に力を注ぎながらも、もし落ちてしまった時のために一般入試対策の塾にも通っていました。方向性の異なる2つの塾に通い受験計画表には統一感がなく添削で言われることはバラバラで誰を信頼して受験に挑めばいいのか分からなくなっていました。「もし一般入試も総合型選抜も、全て把握した受験戦略を考えてもらえる環境があったら。」そう思ったことが慶應スタディ設立の始まりです。 (3)

それぞれの卒業生が、熱い思いをもって社会を変える新たな価値を提案し、実践を続けています。社会に希望を生みだすGame Changerたちの今後の活躍がとても楽しみです。

(1) NeiPia https://www.neipiaed.com
(2) potential https://www.potential0.me
(3) 慶應スタディ https://www.keio-study.com