厳しい残暑が残る9月上旬、本校が誇る一大イベントである「あすなろ祭」は、2日間で総勢12,216人の皆様にご参加いただき、大成功を収めました。お越しいただいた地域の皆様、受験生・保護者の皆様、本校保護者の皆様、ありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

さて、今回はあすなろ祭をふりかえって、個人的所感を綴ってみることにします。

一つ目は、行事の準備から当日の運営、後片付けまでやりきった約70名の実行委員・スタッフを務めた生徒のみなさんへの感謝の気持ちです。
初日、私は高校3年生演劇の審査員として終日市民ホールにいました。たまたま市民ホール担当スタッフの高校1年男子生徒とトイレで遭遇しました。

私「2日間ほとんど市民ホールに張り付きだね。学校でやっている企画の様子は見に行けないの?」
生徒「はい、見に行けません。でも、この仕事にやりがいがあるし、何よりも3年生の演劇を何度も堪能しています」
私「そうなんやね。ありがとう」

こうした生徒スタッフに支えられてあすなろ祭が運営されていることをあらためて実感しました。
2日目の片付けの際、市民ホールスタッフとして長年本校をご支援いただいている小森さんから「今年は、準備から片付けまで先生との打合せは一回もありませんでした。すべて、生徒スタッフが仕切っていましたよ」とのお言葉をいただきました。19年の本校の歴史の中で、最も生徒主体が貫かれたあすなろ祭であったのかもしれません。

二つ目に、その高校3年生演劇がどのクラスも甲乙つけがたく、全体のレベルが極めて高かったことです。私が過去6年間で見た中で全体として最もハイレベルだったのではないか、というのが率直な感想です。
全てのクラスのシナリオは既存の映画やドラマでしたが、30分のシナリオへの再構成、大道具小道具や照明のできばえ、スクリーンを駆使した動画活用、最後のカーテンコール、そして一番大事な演技や歌唱……。審査員として序列をつけるのに本当に苦労しました。運営スタッフをやりながら主役級で演技をがんばっている生徒が多かったのも印象的でした。
また、中学3年生の体育館での演劇も、実はとても素晴らしかったので、この場で紹介しておきます。教室展示と内容をリンクさせるという仕掛けをはじめ、クラス独自の創意工夫が秀逸でした。これからが楽しみな中学3年生でした。
来年は、高校2年生、中学2年生が先輩たちを超えるものを作ってくれることに期待します。

三つ目に、「一人ひとりが輝く」あすなろ祭であったということです。中高生1,500人、一人ひとりが自分の目標をもって取り組みました。すべてが目標通りとはいかず、失敗がたくさんあったかもしれません。しかし、失敗してもそこから学ぶことができれば、それは貴重な「体験」として意味があります。前々回のブログで紹介した言葉──、

努力して結果が出たら自信になる
努力して結果が出なくても体験が残る

そう、「あすなろマインド」です。
あすなろ祭が終わってから、2週間が過ぎ、平常の学校生活に戻りました。

これからは、生徒一人ひとりが、自分のシナリオを書いて、自分が主役の劇を演じることになります。主役にどんな演技をさせるのか、どんな結末にするのかはみなさん次第です。