「位置について、ようい。バーン!」

ようやく秋の気配を感じられるようになった11月1日。 台風21号接近の影響により午後から降り出した雨に、「これで打ち切りか」と一瞬思われました中学校体育祭。しかし、生徒たちの一所懸命さ、みなぎる熱気が天に届いたのか、途中から持ち直し、ほぼ予定されたプログラムを終えることができました。まさに、生徒の熱気が雨をはね返した一日となりました。もちろん、観覧席を埋め尽くした保護者の皆様の熱気にも助けていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

団アピール部門では、どの団も豊富な練習量が感じられ、甲乙付け難い出来でした。最優秀賞の赤団は、笑顔を意識した感情豊かな表現力、「炎」にふさわしい躍動感と緩急のある構成が見る者を魅了しました。優秀賞の黄団は、ソーラン節を取り入れた和洋折衷の工夫が見事でした。
競技部門では、青団が最優秀賞、緑団が優秀賞となり、全団の生徒が持てる力を全力で出し切った姿を見せてくれました。総合部門では、黄団が最優秀賞、青団・緑団が優秀賞となりました。

こうした生徒たちの活躍によって今回の体育祭の熱気が生まれたわけですが、私が注目したいのは、裏方で頑張ってくれた実行委員や団長の頑張りです。

雨をはね返す最大の「熱源」となった実行委員長の気迫のこもった挨拶。
各団をリードし、体育祭全体を盛り上げてくれた、個性あふれる団長5名による選手宣誓。
閉会式でも挨拶し、運営を統括した生徒会本部体育祭担当生徒が構成・編集を手がけたパンフレットのクオリティ。
また、総合司会を務めた生徒会長の、原稿を読まない流暢(りゅうちょう)なアナウンス。
担当者自身が競技に出場する際は、代わりの生徒がすばやく交替し、スムーズに運営されていました。各セクションを担当したすべての生徒が、お互いをサポートし合いながら、組織として動く様子が伺えました。

こうした運営を支えてくれた生徒たちの活躍は、年を追うごとにレベルが上がり、今回は名実共に生徒が主体、教員がサポート役であることを実感させてくれました(渡邊生徒部主任談)。この傾向は、高校体育祭やあすなろ祭にも共通するものであり、「Game Changerが育つ学校」をめざす本校として、生徒たちの今後がますます楽しみです。

なお、現アイリスグランドは、12月から3月までの期間、老朽化した人工芝とタータンを更新する工事に入ります。今回の体育祭は、15年間生徒を見守ってくれたアイリスグランドへの感謝を込めた最後の学校行事となりました。もしかすると、雨をはね返した熱気は、アイリスグランドから湧き上がった、生徒たちへのエールだったのかもしれません。