18歳が市長と語り合った、まちの未来
─守山青年会議所主催トークイベントを本校で開催─
─守山青年会議所主催トークイベントを本校で開催─
6月27日(土)、守山市の未来を考えるトークイベント(守山青年会議所主催)が、本校メディアホールで開催されました。森中高史市長、田中尚仁市議会議長、スクールソーシャルワーカーの日野貴博氏、そして本校卒業生の奥村愛加さん(立命館大学経営学部1回生)の4名が登壇し、200名を超える市民とともに、守山市のこれからについて真剣な議論を交わしました。
守山市は、「起業家のあつまるまち」を標榜しています。この理念は、本校ならびに立命館学園が進める社会起業家育成の方向性と、深いところで響き合うものです。本校生徒もこれまで、守山市主催の起業関連イベント等で多くの学びの機会をいただいてきました。今回のイベントは、そうした積み重ねの上にある、まさに時宜にかなった場となりました。
登壇者の選定にあたっては、本来であれば現役高校生に立ってほしいところでした。しかし、直後に学期末考査が控えていたこともあり、今春本校を卒業した奥村さんにお願いすることにしました。奥村さんは在学中、吹奏楽部での多忙な日々と並行して、仲間とともに映像制作団体「Ex-Editors」を立ち上げたり、アントレプレナーシップ教育を実践的に学び、SNS運用や地域プロジェクトへ参画したりするなど、本校のすすめる「学びの社会実装化」を、まさに体現した生徒でした。この場にふさわしい人物として、迷わず依頼した次第です。
当日、司会者が奥村さんの発言を受けて「19歳から貴重な意見をいただきました」と紹介した瞬間、彼女は間髪入れずに「18です」と返しました。その一言だけで会場がふっと和んだのですが、そのやりとり自体が彼女の人柄をよく表していました。
この日の奥村さんは、年齢を感じさせない落ち着きで議論に加わり、いくつもの印象的な言葉を残しました。
まず、守山市との関わりについて、次のように語りました。
「中高時代に、地域の企業や行政の方とプロジェクトで連携する機会がありました。生徒の立場で地域と関わる機会を持てることがとても大事だと感じましたし、自分自身も、そうやって今ここに立たせてもらっています」
自らの原点を率直に語るこの言葉は、会場にいた大人たちの心にも静かに届いていたようでした。
まちの現状と未来については、通学で路線バスを利用し続けてきた経験から、バス運転手不足という厳しい現状を「悲しい」と述べる一方で、守山駅東口に進出する村田製作所の共創スペース構想にも言及しながら、「守山から出た人が、また戻ってきたいと思えるような機会や場があれば嬉しいです」と述べました。他市から守山市に通い続けたからこそ見える風景が、そこにはありました。
SNSと若者の関係については、「発信は学生の武器であり強みです。行政や企業が学生に『一緒にやらないか』と声をかけてくれれば、学校ごと巻き込むことができます」と、大人たちに向けた具体的な提案として語りました。
そして、市民参画をテーマにした議論の中で、こう語りました。
「私自身、中高生一人では何もできないという感覚をずっと持っていました。だからこそ、学校がまず最初に誘いかけてくれることが何より大事だと思っています。こういうプログラムがあるから行ってはどうか、こういう課題があるから一緒に考えてみないか、そういう一言が、最初の一歩になります。やる気のある一部の生徒だけでなく、授業という場を通じて全員を巻き込んでいく中に、思わぬ才能の芽生えがあるのではないでしょうか。私自身も、その一人でした」
この言葉を聞きながら、私は本校の独自教科「共創探究科」の存在意義を、改めて確信しました。彼女が語ったことは、本校が共創探究科で実現しようとしていること、そのものです。学校が果たすべき役割は、生徒にあらかじめ用意された答えを与えることではありません。生徒が自ら問いを持ち、社会と出会い、力を発揮できる機会と環境を用意することです。奥村さん自身が、その実践の中から生まれた存在でした。
中高6年間の学びを経て、今まさに大学で新たな挑戦を続ける彼女の姿は、「未来のGame Changer」としてまぶしく輝いて見えました。そしてその輝きは、守山市がめざす「私の『想い』がかなうまち」というビジョンと、本校がめざす教育の姿が、同じ方向を向いていることの一つの証です。
卒業生から渡された「地域共創」のバトン。在校生はどう引き継いでくれるでしょうか。