本校には、多彩な分野で活躍する生徒が大勢います。
先日、開校20周年記念と題して、各分野で実績を残している生徒代表5名に集まってもらい、校長・副校長との本音トーク(座談会)を実施しました。その詳細は、10月に発行する20周年記念誌「あすなろ〜リツモリ20周年の歩み〜」に掲載しますが、一足早く概要をお伝えします。(活躍している生徒は紹介しきれないのですが、今回はこれまであまりスポットの当たっていなかった意外な生徒も含めて、選ばせていただきました)

以下、5名の活動内容と私のコメントをご紹介します。

■ Tさん(中3女子・バトントワリング部)
幼稚園の頃から公文式の学びを継続して来ました。「ずっとやってきたからこそ、辞めたくない、勉強に力を入れたいって思ったから、今もそれが力になってます」と語り、長年の積み重ねが今の学習意欲の根底にあることを明かしてくれました。定期テストの目標点は88点以上、学力推移調査では偏差値60以上を目指すなど具体的な数値目標を持っています。同時に中2後半からは「必ずテスト期間でも部活に行くようにしてます」と勉強と部活の両立を重視する姿勢に転換。英語は、「読む力だけじゃだめやなって1年の時に気づいたから」フィリピン人講師とのオンライン英会話を1年生の中盤から開始し、海外研修に向けて英検準2級から2級取得を目標に夏休みも学習を続けています。文化祭では劇「名探偵コナン」の台本と監督を担当し、推理シーンの伏線やアリバイ証明の構成に苦戦しながらも取り組んでいる様子を語ってくれました。古代中国の思想家・孔子の言葉「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」の通り、田中さんは学ぶことが楽しみになっているようです。高校でどのような探究に取り組むのか、これからが楽しみな生徒です。

■ Kさん(中2女子・バトントワリング部/地域クラブ「GENESIS」)
母親が大学のバトン部に所属していた姿を見て「すごいなと思ったので始めました」と小学1年生で競技を開始。小学2年で全国大会に初出場した際は「その頃は何も考えてなくて、とりあえずやってたら行けちゃった」という自然な形でしたが、3年生では「絶対1位を取りたいと思いながら頑張った」ところ実際に1位を獲得し、以降4〜6年生まで全国大会での1位を継続しています。今年は初めて世界大会の選考会に挑戦し、正選手には僅かに届かなかったものの「現地控え選手」として選出され、この夏フランスでの世界大会にソロ種目で臨むそうです。曲・振り付けをすべて自分で考える種目であり、団体と個人の違いについては「団体でやる時はみんなで協力してやることが大切」で「ちょっとのことでも、ここってどうしてる?と質問して合わせる」楽しさがある一方、「1人でやる時は孤独なんですけど、でも自分としては黙々と一人でやり続けることが好きなので」と、異なる魅力を明確に言語化していました。バトントワリングは、時にはしなやかに、時には激しく、芸術的表現力と高度な技術が求められる競技です。それを高いレベルで追求してきた彼女の視線は世界に向いていました。

■ Oさん(高3女子・ウィンドサーフィン)
両親がともに趣味として取り組んでおり、兄も競技者という家庭環境の中、「生まれた時から結構海に行ったり琵琶湖に行ったり」と自然にウィンドサーフィンと関わって育ちました。小学2年で競技開始、4年で大会出場を始め、「海の上を滑走する魅力だったり、結構頭を使ってレース展開していく」ことに惹かれていったといいます。現在取り組むオリンピック種目「iQFOiL」はボード下部の翼構造により海面から浮き上がって進む競技で、速い選手は時速50〜60kmに達するそうです。今年はスペインでのシニア大会(プリンセス・ソフィア杯)に57位で挑戦し経験を積んだほか、アジア大会の選考を女子1位で通過し代表選出、直近のスペインでの大会では女子20位という結果を残しました。スタート直前の描写は特に具体的で、「もう秒数で…この辺から1分前ぐらいからずっと蛇行して、で3、2、1、0で、もうここのぴったりの線を狙って、ジャストできるっていうのが重要」「最後の最後でひるまないっていうのが結構大事」と語り、普段の穏やかな性格から一変する競技中の切り替えについて私が問うと「乗った瞬間に、スイッチが入ります」と笑いながら語っていました。目標はLAオリンピック出場を経て2032年ブリスベン大会でのメダル獲得で、現時点で日本人選手のメダル獲得例はまだない競技であることも会話の中で確認されました。リツモリ出身のメダリスト誕生が今から楽しみです。

■ Iさん(高1男子・探究活動/ソフトテニス部)
「核のごみ問題」への関心の原点は、同じ中学に通っていた兄が先に同テーマを研究しており、「家族で喋ってて……お父さんとお母さんとお兄ちゃんがすごい喋ってる中で、僕はあんまり意味もわからないまま聞いている」という食卓での体験だったといいます。国立大学附属中学校へ入学後、地層処分をめぐる公募開始から23年経っても処分地が決まっていないという問題の深刻さを知り、「**核のごみ問題」の探究を本格化。福島学カレッジのオータムセミナーでの現地視察、環境省主催のコンテストへの応募(「福島でワールドカップを開催してもいいんじゃないか」という提案)、NUMO(原子力発電環境整備機構)主催「私たちの未来のための提言コンテスト」への出品、北海道・幌延の地層研究センターや神恵内村の中学生サミットへの継続参加など、多数の活動実績を積み重ねてきました。「その、もしもっていう疑問を持った状態で、現地に行って実際に感じるっていうことが、一番核のごみ問題、自分と遠い問題をジブンゴト化するために重要なんじゃないか」という提言は、彼の探究の核心を表す言葉です。原動力を問われた際は「やっぱり家族の影響はすごく大きくて、お兄ちゃんが本当に僕の理想」であり、また「お父さんが大学の先生をやっていて、教育学の専門」であることから教師という夢にもつながっていると語りました。私は、以前彼の文章を読んでいたので、「文章構成や表現など、いつどこでエッセイの書き方を身につけたの?」と聞いたら、「お父さんの影響で、毎年読書感想文を夏に書いていた」そうで、それが文章力の土台になっていることがわかりました。末恐ろしい(笑)生徒です。

■ Nさん(高2男子・ロボット/プログラミング)
京都の私立中学校時代、部活動でロボット制作に触れたのがきっかけで、「やってみたら、作ったものが動くみたいなのが、めちゃくちゃ楽しくて、それでロボットを始めました」と原体験を語りました。中3から高1にかけて出場したロボカップジュニア世界大会のレスキュー部門でプログラミングを担当し、全国優勝・世界大会6位という実績を残しました。大会後の次の挑戦として、大阪の公立高校の生徒にSNSで声をかけ二人でアプリ開発に取り組み、アプリ甲子園で準優勝を獲得。開発したのは情報整理やAIによる編集・把握支援を行うアプリでした。活動を重ねる中で「なんか知識が足りないな、みたいなのが結構あって」「ほんまに人のものに、役に立つものを作りたいっていうのが、結構強くなってきてる」と目的意識の変化を自覚し、それに伴い「数学とか、勉強するのもめっちゃ楽しいなってなったので、今は勉強してます」と学びへの向き合い方が変わったことを語ってくれました。私立中学校から本校に進学した理由についても率直に述べ、「リツモリは自由な感じで時間を使えると思った」というイメージ、そして本校でロボット製作をする在校生の存在を知ったことが決め手になったといいます。「入学してみて、リツモリは生徒と先生の関係がとても良いことを実感しています」と熱く語っていました。「校長先生ってふだんは何してるんですか」など、ストレートな質問を繰り出され、久しぶりに本質を突いてくる生徒に出会いました。

どうでしたか。
5人が5人とも全く違う個性を持った生徒の語りに、お互い大いに刺激を受けた様子でした。
隣の席には自分にはない個性を持ったすごい生徒がいる──私にとっても、リツモリに集う生徒たちの魅力を再発見したひとときでした。
20周年記念誌は10月発行の予定です!