強豪に一矢報いた全力のラリー
─インターハイ男子硬式テニス観戦記─
─インターハイ男子硬式テニス観戦記─
8月2日、古代中央集権国家の成立過程を示す遺跡群として1週間前に世界遺産(国内27件目)に登録されたばかりの、奈良県「飛鳥・藤原の宮都」の田園風景を見ながら、私は会場に向かっていました。試合開始時間9:00ギリギリに到着し、本校生徒が対戦するコートを探します。23番・24番コートに到着すると、二面同時進行で、ちょうどプレイが始まったところでした。
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)テニス競技は、明日香村にある奈良県立橿原公苑明日香庭球場で開催。緑豊かな木々に囲まれた明日香庭球場はコート24面を有する立派な会場で、選手や応援の人々でごった返していました。
立命館守山高等学校男子硬式テニス部は滋賀県予選においてシングルス・ダブルス・団体の三冠という快挙を達成し、いま本校で最も注目されているクラブとして応援に駆けつけた次第です。
1回戦の相手は、高校テニス界の超名門強豪校である四日市工業高校。過去には全国制覇を多数経験し、今年3月の全国選抜高校テニス大会では団体準優勝に輝いています。
コートではすでにダブルスの試合が進行しており、まず視線が吸い込まれたのは、本校の中尾優仁選手(1年)・大西勇毅選手(3年)ペアが四日市工業のペアと打ち合う様子でした。序盤から相手のショットの重さと安定感が際立っており、ラリーの中でわずかずつポイントを失っていく展開。全力で挑みましたが6-1で相手に軍配が上がり、初戦を落とす苦しい立ち上がりとなりました。
しかし、隣のコートでは違う景色が広がっていました。シングルス1に登場したのは、今年度の近畿高等学校テニス大会シングルスチャンピオンであり、全国大会でもベスト8まで勝ち上がった実績を持つ、本校のエース・内藤圭吾選手(3年)。序盤から冷静にラリーを組み立て、要所でのサービスとストロークの精度で試合を支配し、見事6-2で勝利を収めました。強豪選手を相手に一歩も引かない堂々としたプレーぶりに、駆けつけた保護者や生徒たちからも大きな拍手が送られました。
そして迎えたシングルス2。相手コートに立ったのは、昨年度のインターハイ個人戦男子シングルスで全国の頂点に立った有力選手。本校の森健悟選手(3年)は、内藤選手とのダブルスでも近畿大会ベスト16に入るなど着実に力をつけてきた選手です。しかし、この日ばかりは相手が一枚上手で、最後まで懸命に食らいついたものの、1-6で敗れ、チームとしても1勝2敗で1回戦敗退が決まりました。
試合終了後、相手選手と握手を交わして戻っていく選手たちの背中を見送りながら、私はおそらく悔しさでいっぱいであろう、彼らの心中を思いました。しかし、強豪校を相手に内藤選手が個人としてしっかりと結果を出したことは、間違いなく大きな収穫です。一方、ダブルスとシングルス2で感じた力の差をどう埋めるのか、来年に向けた課題として持ち帰ることにもなりました。
明日香村の澄んだ夏空の下、選手たちは最後まで精一杯戦い抜きました。出場した1年生の中尾選手をはじめ、フェンス越しに声をからして声援を送り続けた後輩たちにとっても、この悔しさは来年へ向けた何よりの糧になるはずです。
選手・部員・スタッフの皆さん、そして支えてくださった保護者・関係者の皆様、猛暑の中、選手たちを支えてくださり、本当にありがとうございました。
追記
その後、シングルスは内藤選手初戦敗退、森選手2回戦進出、ダブルスは内藤・森ペア2回戦進出ベスト32となりました。選手のみなさんの今後の活躍に期待しています。