3つの世界一
─ロボカップ世界大会での快挙─
2024年7月、オランダのアイントフォーフェンに世界45カ国から300チーム2,000名の競技者、50,000人の入場者が集い、ロボカップ世界大会が開催されました。
ロボカップは、ラジコンのような人の操作によって動くロボットではなく、自分で考えて動く自律移動型ロボットによる競技会です。それは、「西暦2050年までに、サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律移動のヒューマノイドロボットのチームを作る」という夢に向かって、人工知能やロボット工学の研究を推進し様々な分野の基礎技術として波及させることを目的とした、ランドマーク・プロジェクトでもあります。(1) |
本校から出場したサイテック部の高校2年生チーム「Edge」(リーダー・回路担当:渡辺幸大朗、プログラム担当:中川裕太、機体加工担当:青木良亮)が、19歳以下のロボカップジュニア、サッカーライトウェイト部門で総合優勝し、世界一に輝いたことは、本校サイトやニュース等ですでにご存じの方も多いと思います。今回は、世界大会前からNHKローカル番組が生放送で取り上げる等、期待が高まっていたこともあり、世界一を達成した後の取材は主要各紙で大きく取り上げられました。その後、Edgeメンバーは、守山市森中市長、滋賀県岸本副知事、学校法人立命館仲谷総長への表敬訪問を行い、皆様から高い評価をいただきました。
今回は、それらの陰に隠れて、実はもう一つの世界一が存在していたことを改めて紹介しておきます。
ロボカップジュニアは19歳以下が対象ですが、Edgeが出場したのとは別の部門にサッカーオープン部門があります。ライトウェイト部門が赤外線を発光する特殊なボールを使用するのに対し、オープン部門はゴルフボールを使用します。ロボット製作の難易度は後者の方が高いそうです。
そのオープン部門で優勝に輝いたのは立命館大学理工学部1回生チーム「Crescent(Re)」(馬場拓海、中東祐樹)ですが、2人は今春、立命館守山高校を卒業したサイテック部OBなのです。年齢制限があるため、ジュニア部門では最後の出場となりましたが、大学入学後、よりいっそう磨き上げられたCrescent(Re)の技術は、他を寄せつけない強さを発揮し、世界一となりました。つまり、実質的には本校から2つの世界一が同時に誕生していたのです。(2)
さらに言えば、今回のロボカップ世界大会では、立命館大学情報理工学部のプロジェクト団体「Ri-one」が、20歳以上のサッカー小型リーグ部門で優勝していますが、Ri-oneには本校卒業生も参加し、勝利に貢献しています。
その意味では、今回のロボカップ世界大会では、立命館一貫教育の力でリツモリ関係者が3つの世界一を達成したと言っても過言ではないでしょう。
Edgeメンバーは今回で引退となりますが、子どもたちにものづくりの面白さを教えたり、地域と連携したりする活動をすでに始めており、今後は学びの成果を社会に還元していく予定だそうです。(3)
They are Game Changers❗
〈注釈〉
(1) ロボカップ日本委員会サイト
https://www.robocup.or.jp/robocup/
(2) 詳細は立命館大学サイトに掲載
https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=3803
(3) 守山警察署との連携は立命館守山中高サイトに掲載
https://www.mrc.ritsumei.ac.jp/2024/09/25/post-134498/