「学びで世界を変える生徒と、共に」
─開校20周年を記念する秋─
─開校20周年を記念する秋─
この夏休み、本校正門の脇に新しい横断幕が掲げられました。
「祝20周年 学びで世界を変える生徒と、共に」
こう書かれたこの横断幕は、本校の前を通る地域の方々に向けて掲げたものです。いわば、20周年を迎える本校から地域社会へお届けする、一枚の「招待状」です。
「学びで世界を変える生徒」とは、本校がめざすGamechangerそのものです。学ぶということは、自分自身のためだけでなく、社会や世界をより良くしていくためである、とのメッセージを込めています。ただ、このメッセージには省略があります。「生徒と、共に」の後ろに、本当は何と続くのか。答えは一つではありませんが、みなさんにも考えていただきたいのです。
本校がこの20年、歩みを進めてこられたのは、卒業生と在校生一人ひとりの頑張りはもちろんのこと、地域や社会の皆さまに支えていただいたからでもあります。生徒たちの学びは、決して校舎の中だけで完結するものではありません。支えてくださる地域と「共に」あって、そしてその先に広がる世界と「共に」あって、初めて意味を持つものだと、私は考えています。
その姿を象徴するようなイベントが、この夏開催されました。
7月25日、本校を会場に「びわ湖 水環境フォーラム 2026 in Moriyama」を開催(1)。行政・研究機関・企業関係者など合わせて158名が参加する大きな催しとなり、その中に本校の中高生も約50名が加わりました。
このフォーラムの何よりの特徴は、企画の段階から生徒が深く関わってきたことです。「中高生が参加したいと思えるイベントにするにはどうすればいいか」という問いを出発点に、4月から山岡記念財団の皆さまや教員との会議に、企画運営を担う生徒有志6名ほどが加わり、幾度となく話し合いを重ねてきました。当日の司会も生徒が担当し、第一部を高校3年生の中川瑛太さんが、第二部を高校1年生の島津心温さんが、堂々とした進行で務めてくれました。
第一部では、滋賀県琵琶湖環境部の方による琵琶湖保全の取組の紹介に続き、本校生徒4名による「藻と人が共存する未来」と題した発表、そしてドイツ・テュービンゲン大学のピーター・グラートヴォール教授による、PFAS(いわゆる「永遠の化学物質」)が環境に与える影響についての発表が行われました。続く第二部のポスターセッションでは、企業・行政・大学など14の団体・チームが展示を行い、本校からも水上交通をテーマにした探究プロジェクトのチームや中学サイテック部、そして高校3年生が取り組んだ未利用魚の商品開発共創プロジェクトなど、いくつもの取り組みが並びました。会場にはドイツ総領事館のメラニー・ザクシンガーさんもご挨拶に立たれ、ドイツの軽食も振る舞われる中、肩書きを超えて社会人と生徒が語り合う、和やかな時間が流れていました。
フォーラムを終えた生徒たちからは、たくさんの感想が寄せられました。ある生徒は、「駆除」ではなく「収穫」という視点の転換に触れ、物事の見方を変えることの大切さに気づいたと振り返っています。準備段階では緊張して意見を言えなかったという生徒は、周囲の大人たちが自分の考えを否定せず受け止めてくれたことで、恐れずに思いを伝える大切さを学んだと語ってくれました。滋賀県に暮らしながらも琵琶湖のことをどこか他人事のように感じていたという生徒、あるいは京都に暮らし普段は琵琶湖と縁遠いという生徒からも、今回の参加を通じて水環境を守ることの重要さに気づいたという声が届いています。
地元・琵琶湖の水環境という、いわば足元の話題が、ドイツをはじめとする世界の水環境の議論へとつながっていく。そして何より、その場をつくり、進行し、発信していたのが生徒たち自身であったこと。横断幕に掲げた「学びで世界を変える」という言葉が、まさに形になった一日だったと感じています。
そしてこの秋、地域の行政・企業関係者をはじめ社会の第一線で活躍される方々をお迎えし、全校生徒がで20周年をお祝いする記念式典や、卒業生が母校に迎えるホームカミングデーを挙行します。
また、20周年を記念して、3冊の冊子を制作中です。学校の歩みを丁寧に記録した『あすなろ―立命館守山20年の歩み―』。GLコースの生徒100名が、卒業生100名のもとへ実際に足を運び、話を聞いてまとめ上げた『百人百声―リツモリ聞き書き20年史―』。最後に漫画『リツモリ物語』。それぞれ本校サイトで公開する予定です。
改めて、「学びで世界を変える生徒と、共に」。この続きの言葉に、決まった正解はありません。生徒のみなさん一人ひとりが、自身の言葉で埋めてほしいと思います。
20周年という大きな節目の年に、生徒たちと時間を共にできることを、私自身、とても嬉しく、そしてワクワクしています。
※9/1中学・高校始業式での校長講話を改作しました。
注釈
(1) 本校サイトTopics「びわ湖 水環境フォーラム 2026 in Moriyama を開催しました」
https://www.mrc.ritsumei.ac.jp/2026/08/05/post-286398/